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[SVC45-P28] 2014-2015年 阿蘇山の噴火活動について
はじめに
2014年11月25日、阿蘇山は本格的なマグマ噴火を開始した。本発表では、この噴火発生前後の阿蘇山の火山活動について報告する。
2014年噴火前の活動
阿蘇山では、2013年9月に火山性地震が一時的に増加した。2013年12月20日頃からは、火山性微動の振幅が次第に大きくなったほか、二酸化硫黄の放出量が増加した。そして、2014年1月13日から2月19日にかけて、ごく小規模な噴火が断続的に発生した。その後は、火山活動はやや落ち着いた状態で経過したが、2014年7月上旬になると、火山性微動の振幅が再び増大しだし、また、7月中旬から下旬には火山性地震及び孤立型微動が増加した。中岳第一火口の湯だまり量は約1割で経過していたが、次第に減少し、2014年7月中旬には、湯だまりが消失した。また、火口底中央部付近の噴気孔では、ごく弱い火炎を、その周辺部では赤熱を観測した。8月下旬になると、再び孤立型微動や火山性地震が増加しだし、中岳第一火口底の温度も、それ以前は300℃前後であったのが、8月27日には約500℃、10月中旬以降は約600℃と上昇し、二酸化硫黄の放出量も、それ以前が1000トン/day前後であったのに対し、10月27日には2600トン/dayとなった。また、火山性微動の振幅も11月中旬から次第に増大した。GNSS連続観測では、2014年9月頃から西側の基線にわずかな伸びの傾向が認められた。
2014-2015年噴火活動
そういったなか、11月25日から本格的なマグマ噴火がはじまった。夜間には赤熱したマグマが噴き上げられているのが観測され、噴火はストロンボリ式噴火の様相を呈した。11月27日に行った現地調査では、中岳第一火口の南側で火山灰が約7cm堆積し、火口縁付近ではこぶし大のスコリアを確認した。11月25日から27日に実施した現地調査及び聞き取り調査の結果、熊本県、大分県、宮崎県の一部にかけての広い範囲で降灰を確認した。
噴火活動は、盛衰を繰り返しながら2015年2月現在も続いており、この盛衰に伴って、微動振幅や傾斜記録に変化が観測された。
2014年11月25日、阿蘇山は本格的なマグマ噴火を開始した。本発表では、この噴火発生前後の阿蘇山の火山活動について報告する。
2014年噴火前の活動
阿蘇山では、2013年9月に火山性地震が一時的に増加した。2013年12月20日頃からは、火山性微動の振幅が次第に大きくなったほか、二酸化硫黄の放出量が増加した。そして、2014年1月13日から2月19日にかけて、ごく小規模な噴火が断続的に発生した。その後は、火山活動はやや落ち着いた状態で経過したが、2014年7月上旬になると、火山性微動の振幅が再び増大しだし、また、7月中旬から下旬には火山性地震及び孤立型微動が増加した。中岳第一火口の湯だまり量は約1割で経過していたが、次第に減少し、2014年7月中旬には、湯だまりが消失した。また、火口底中央部付近の噴気孔では、ごく弱い火炎を、その周辺部では赤熱を観測した。8月下旬になると、再び孤立型微動や火山性地震が増加しだし、中岳第一火口底の温度も、それ以前は300℃前後であったのが、8月27日には約500℃、10月中旬以降は約600℃と上昇し、二酸化硫黄の放出量も、それ以前が1000トン/day前後であったのに対し、10月27日には2600トン/dayとなった。また、火山性微動の振幅も11月中旬から次第に増大した。GNSS連続観測では、2014年9月頃から西側の基線にわずかな伸びの傾向が認められた。
2014-2015年噴火活動
そういったなか、11月25日から本格的なマグマ噴火がはじまった。夜間には赤熱したマグマが噴き上げられているのが観測され、噴火はストロンボリ式噴火の様相を呈した。11月27日に行った現地調査では、中岳第一火口の南側で火山灰が約7cm堆積し、火口縁付近ではこぶし大のスコリアを確認した。11月25日から27日に実施した現地調査及び聞き取り調査の結果、熊本県、大分県、宮崎県の一部にかけての広い範囲で降灰を確認した。
噴火活動は、盛衰を繰り返しながら2015年2月現在も続いており、この盛衰に伴って、微動振幅や傾斜記録に変化が観測された。