日本地球惑星科学連合2015年大会

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[O-01] ジオパークへ行こう

2015年5月24日(日) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)

18:15 〜 19:30

[O01-P12] おおいた姫島ジオパークの普及活動への取り組み

*堀内 悠1 (1.おおいた姫島ジオパーク推進協議会事務局)

キーワード:ケーブルテレビ, ジオツアー

おおいた姫島ジオパークは,大分県北部の国東半島から北に約6 kmの沖合に位置する東西約7 km,南北約3 kmの一島一村の離島であり,瀬戸内海の成り立ちや姫島火山群の活動で生み出された地形・地質をコンパクトなジオツアーで学び楽しめることが魅力である.2013年に日本ジオパークに認定されて以来,おおいた姫島ジオパークでは,島内外に対してジオパークの概要とその魅力を伝えるために様々な取り組みを行っており,本講演ではそれらの取り組みの一部を紹介する.
ジオパーク活動で地域を盛り上げるためには,地域住民の理解と協力が欠かせない.姫島は一島一村の離島であり,地域住民同士の距離が近いことから,情報が伝わりやすい特性がある.このため,ジオパークに関する情報も比較的伝わりやすく,住民のジオパークについての認知度は高いといえる.住民に対する情報発信の手法の一つとして,おおいた姫島ジオパークでは,ケーブルテレビを用いた情報発信を行っている.ケーブルテレビ姫島では,イベントに関するニュースの放映やおおいた姫島ジオパークの紹介などを含む観光案内ビデオ放映を行っており,映像を使って効果的にジオパークを印象づけられるよう工夫している.
姫島には,年間約3万5千人ほどの観光客が来島するが,ジオパークを目的とした来島者は多いとはいえない.特に毎年8月に行われる「姫島盆踊り」や5月の「姫島かれい祭」,10月の「姫島車えび祭」では多くの観光客が来島するが,そのほとんどが「姫島盆踊り」の観賞,姫島かれいや姫島車えびをはじめとする新鮮な海産物を目的とした来島者である.姫島村では,「姫島かれい祭」および「姫島車えび祭」の来島者に対して無料の島内周遊バスを運行し,その中でおおいた姫島ジオパークの概要説明を行うことで認知度を高める取り組みを行っている.また,研修会や会議など,仕事で来島する団体客についても,依頼に応じておおいた姫島ジオパークの概要とみどころを紹介する短時間のジオツアーを行っている.
このように,おおいた姫島ジオパークでは,ジオパークの魅力を伝えるために様々な普及活動に取り組んでいる.地域住民に対しては,今後も引き続きジオパークを意識づける取り組みを進めていくことにより,住民が中心となるジオパーク活動の推進につながることが期待される.また,ジオパークに馴染みのない観光客やジオパーク訪問を目的としていない客層に対しては,姫島に来た機会にジオパークの魅力に自然に触れられるような取り組みを行うことで,認知度が高まり普及につながることが期待される.