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[SSS28-P07] 沿岸海域における活断層調査「鴨川低地断層帯」、高分解能地層探査結果
キーワード:活断層, 鴨川低地帯断層
鴨川低地断層帯は房総半島南部を東西方向に横切る断層帯である。本断層帯は鴨川地溝北断層と鴨川地溝南断層からなり、全体として幅6-7kmの地溝帯を形成するとされ、活断層研究会編(1980,1991)は既存の研究結果から両断層は活動度A-B級の断層としている。また、中田・今泉編(2002)は、鴨川地溝帯北断層の大部分を推定活断層、鴨川地溝南断層を活断層として示している(地震調査研究推進本部地震調査委員会,2004)。しかし、本断層帯において第四紀の特性に関する研究(千葉県,1999,2000,2001;宮内ほか,2003;宍倉ほか,1999)がなされてきたが、活断層の存在を示す証拠は得られておらず、その活動履歴等は不明である。
本研究では、鴨川低地断層帯の(1)北西延長にあたる保田沖、(2)南東延長にあたる鴨川沖において、本断層帯の位置、性状及び活動履歴を明らかにする目的で、高分解能地層探査を実施した。
(1)保田沖(鴨川低地断層帯北西側)海域
本断層帯北縁の構造境界付近において、断層帯に直交するN-S方向の測線を設け調査を実施した。探査の結果、音響基盤の隆起部と考えられる露岩域が調査域北部に分布し、その南側では内部反射に乏しい透明層が被覆している。全体として音の透過が悪く反射面も断片的であり、構造を反映する明瞭な変位を認めることができなかった。
(2)鴨川沖(鴨川低地断層帯南東側)海域
本断層帯南縁の構造境界付近において、断層帯に直交するNE-SWもしくはN-S方向の測線を設け調査を実施した。探査の結果、新規の堆積物は内部反射に乏しい透明層として表現され、明瞭な変位は認められなかった。調査海域北部及び南西部では、音響基盤の隆起による露岩域が広がり、この露岩域との構造境界付近に隆起部側へ傾動する数条の内部反射面が認められた。これら反射面の変位は東西方向に約3km連続する。また、沖側では海底面にほぼ垂直な南落ちの急崖(最大落差約15m)が認められ、東西方向に約3km連続している。これら表層部に現れている特徴的な地形及び反射面は本海域の構造を反映していると思われ、雁行状の配列を示す。
本研究では、鴨川低地断層帯の(1)北西延長にあたる保田沖、(2)南東延長にあたる鴨川沖において、本断層帯の位置、性状及び活動履歴を明らかにする目的で、高分解能地層探査を実施した。
(1)保田沖(鴨川低地断層帯北西側)海域
本断層帯北縁の構造境界付近において、断層帯に直交するN-S方向の測線を設け調査を実施した。探査の結果、音響基盤の隆起部と考えられる露岩域が調査域北部に分布し、その南側では内部反射に乏しい透明層が被覆している。全体として音の透過が悪く反射面も断片的であり、構造を反映する明瞭な変位を認めることができなかった。
(2)鴨川沖(鴨川低地断層帯南東側)海域
本断層帯南縁の構造境界付近において、断層帯に直交するNE-SWもしくはN-S方向の測線を設け調査を実施した。探査の結果、新規の堆積物は内部反射に乏しい透明層として表現され、明瞭な変位は認められなかった。調査海域北部及び南西部では、音響基盤の隆起による露岩域が広がり、この露岩域との構造境界付近に隆起部側へ傾動する数条の内部反射面が認められた。これら反射面の変位は東西方向に約3km連続する。また、沖側では海底面にほぼ垂直な南落ちの急崖(最大落差約15m)が認められ、東西方向に約3km連続している。これら表層部に現れている特徴的な地形及び反射面は本海域の構造を反映していると思われ、雁行状の配列を示す。