日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT54] 合成開口レーダー

2015年5月25日(月) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*山之口 勤(一般財団法人 リモート・センシング技術センター)、小林 知勝(国土交通省国土地理院)、宮城 洋介(防災科学技術研究所)

18:15 〜 19:30

[STT54-P07] ALOS/PALSARデータを用いたグリーンランド北西部の非定常氷床変動の検出

*土井 浩一郎1山之口 勤2中村 和樹3白水 薫4 (1.国立極地研究所、2.(一財)リモートセンシング技術センター、3.日本大学、4.総合研究大学院大学)

キーワード:差分干渉SAR, 氷床流動, オフセットトラッキング, グリーンランド

急速な氷床融解が進行中のグリーンランドでは氷床流動の変化が起きている可能性がある。そこで、差分干渉SAR手法(DInSAR)を、北西グリーンランドを観測したいくつかのALOS/PALSARシーンに適用し、変位図と2重差分干渉SAR手法(DDInSAR)により得られる変位差図をJpGU2014において示した。
氷床の流動では定常的な流動が主であり、差分干渉SAR画像に現れる定常的な流動に伴う位相変化はDDInSARにより相殺することができるため、流動変化といった定常的でない変位を検出することが可能である。
ALOS/PALSARにより2007年8月30日、10月15日、11月3日に3回連続して観測されたシーン(パス76、フレーム1590)にDDInSAR手法を適用したところ、得られた変位差図に10~15cmの変位差のある円形あるいは楕円形をしたスポットが数カ所見られた。それらのスポットの位置は沿岸域氷床上の池の位置とほぼ一致することから、得られた変位差は池の表面の変位により生じたのではないかと考えられる。
今後、同じSARデータにオフセットトラッキング手法を適用して表面流動を推定し、その結果と組み合わせて池の表面変位についてさらに調べる予定である。