日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD23] 重力・ジオイド

2015年5月27日(水) 16:15 〜 18:00 102A (1F)

コンビーナ:*西島 潤(九州大学大学院 工学研究院 地球資源システム工学部門)、青山 雄一(国立極地研究所)、座長:西島 潤(九州大学大学院)、宮崎 隆幸(国土交通省国土地理院)

17:54 〜 17:57

[SGD23-P01] 日本の離島における新しいジオイド・モデルの構築

ポスター講演3分口頭発表枠

*小島 秀基1宮原 伐折羅1根本 悟1伊藤 純一1兒玉 篤郎1黒石 裕樹1 (1.国土交通省国土地理院)

キーワード:日本のジオイド2011, ジオイドモデル, 測量成果, 離島域

国土地理院は、平成26年4月、一部離島を除く全国について、測量成果との整合性が従来のモデルより大きく向上したジオイド・モデル「日本のジオイド2011」を公表した。平成26年度は、残る離島について新たなジオイド・モデルを構築したので報告する。
  離島のジオイド・モデルの構築は、最新の日本の重力ジオイド・モデルJGEOID2008を基盤とし、これを島ごとにGPS測量と水準測量の成果から求めた実測ジオイド高と整合するよう調整することで行った。調整方法には、1)実測ジオイド高とJGEOID2008との差(ジオイド高較差)の分布を一定値で表現するバイアス法、2)ジオイド高較差の分布を一様な傾斜平面で表現する平面補正法、3)ジオイド高較差の分布をGMTのグリーンスプライン補間プログラムで推定した面で表現するGMT法を用いた。観測点の配点数と密度に応じて、島ごとに最適な方法を選択した。
  ほとんどの離島では、標高は島ごとに定められた独自の標高基準に基づいているため、今回のモデル作成では島内の標高の整合性を重視し、基準が異なる島は可能な限り分けてモデルの構築を行った。
  実測ジオイド高を求める際に必要な観測点の楕円体高は、GPS解析の固定点となる電子基準点が2004年に全点で楕円体高の測量成果を改定しているため、2004年以前に計算された測量成果については、すべて楕円体高を再計算した。また、解析の際に国土地理院が独自に検定を行って作成したアンテナ位相特性モデルを電子基準点に用いることで、楕円体高の整合性を向上した。
  構築した新たな離島のジオイド・モデルを公表することで、離島を含む全国においてGNSS測量による3級水準点相当の標高決定が可能となり、測量作業のさらなる効率化が期待される。