日本地球惑星科学連合2015年大会

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口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG65] 兵庫県南部地震から20年:活断層と強震動に関する研究の進展

2015年5月26日(火) 09:00 〜 10:45 A04 (アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張)

コンビーナ:*中原 恒(東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻固体地球物理学講座)、堀川 晴央(産業技術総合研究所 活断層・地震研究センター)、丸山 正(文部科学省研究開発局地震・防災研究課)、座長:堀川 晴央(産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門)、丸山 正(独立行政法人産業技術総合研究所活断層・火山研究部門)

10:10 〜 10:25

[SCG65-05] 有馬高槻構造線における主滑り面での非晶質微粒子の保存

*朝山 暁1金木 俊也1廣野 哲朗1 (1.大阪大学大学院理学研究科)

キーワード:活断層, 非晶質化, 非晶質定量

地震時の断層滑りに伴う破砕作用によって,断層内の構成鉱物は細粒化・非晶質化する.例えば,1999年集集地震で活動した台湾チェルンプ断層の主滑り面では,粒径数10 nm程度の微粒子(一部は非晶質化)が確認された.この微粒子は主滑り面だけで確認されるため,活断層としての指標の可能性が提案されている.但し,現時点では報告例が少ないため,他の活断層での評価が必要である.そこで,第四紀段丘堆積物の変位が有意に確認されている有馬高槻構造線の断層露頭において,非晶質微粒子の定量化を試みる.
定量化の手法として,従来はX線回折パターンでの鉱物組成定量解析(RockJock法)が提案されてきた.しかし,対象とする試料によっては,このExcelマクロプログラムに登録されている標準鉱物の回折パターンと必ずしも一致するとは限らず,適切な鉱物同定が難しい.そのため,回折パターンの20-40度(2θ)付近の非晶質起源ハローの面積を用いて,直接的な非晶質成分の定量化を実施した.その結果,有馬高槻構造線の断層では,厚さ約1 cmの主滑り面のみで,20 wt%に至る非晶質成分が検出された.さらに,走査型電子顕微鏡観察の結果,粒径10-100 nm程度の多くの微粒子が確認された.
以上の結果,活断層の主滑り面では非晶質微粒子の保存が普遍的であり,「微粒子の発達・非晶質化≒活断層」が成立する可能性が高い.今後は,この微粒子が地震時に生成する力学的条件および非地震時に溶解反応によって消失する速度を実験的に検証する予定である.