11:15 〜 11:30
[MIS25-09] 津波堆積物の高精度放射性炭素年代測定
キーワード:放射性炭素年代測定, 津波堆積物, 泥炭, ウイグルマッチング, 加速器質量分析
津波堆積物の高精度年代測定は、古津波の発生頻度の解明のみならず、古文書記録等の歴史記録の少ない地域での巨大地震の発生間隔の解明等に非常に有用なツールとなる。しかしながら、本邦における津波の再来頻度は非常に高いため、津波の再来間隔が非常に短い場合も存在し、比較的年代決定精度の高い放射性炭素年代測定を用いた場合であっても、年代情報のみでは、歴史記録との対比に困難が生じる場合がある。
そこで本研究では、東京大学大気海洋研究所に新たに導入されたシングルステージ型加速器質量分析計(SS-AMS)を用いた高精度放射性炭素年代測定と、津波調査トレンチでの高密度放射性炭素分析試料サンプリングを組み合わせることにより、津波堆積物の形成年代をより高精度に推定することを試みた。
従来より津波堆積物の年代決定をするための手法として放射性炭素年代測定法は、一般的に用いられてきた手法である。しかし、津波堆積物の年代値は、通常は津波堆積物を挟んで数試料程度実施されるのみであり、歴史記録との対比が困難な場合が多々存在した。 その理由としては、津波の到達時に生じると考えられる地表面の削剥などの年代測定試料自体に起因する問題点、古木効果など年代測定試料選択による問題点、暦年較曲線が対象とする年代域でフラットであった場合(たとえば江戸時代等)など暦年較正の機序による問題点等が考えられる。
本研究では、津波直下の泥炭層に着目をした。泥炭を年代測定試料に用いる利点としては、津波到達時の削剥がなければ泥炭層は津波の到達直前の有機物で構成されていることが明らかであること。泥炭の堆積は連続的であり、深度方向への連続サンプリングによって暦年較曲線とのウイグルマッチングが行える可能性があることがその理由である。
今回、多点数測定による津波堆積物の放射性炭素年代値の高精度化について宮城県岩沼市の高大瀬遺跡のトレンチ調査地を例に検討した。海岸線に直行する約15mの調査用トレンチにおいて、津波堆積物直下を水平方向に1m間隔のサンプリング、また、垂直方向には、津波堆積物直下の1mの連続サンプリングを行い、それを5mmないし20mmの非常に高密度な間隔でスライスし、高解像度14C分析を行った。水平方向および垂直方向それぞれの高分解能放射性炭素年代測定から、津波堆積物の高精度年代決定を試みた。その結果について報告する。
そこで本研究では、東京大学大気海洋研究所に新たに導入されたシングルステージ型加速器質量分析計(SS-AMS)を用いた高精度放射性炭素年代測定と、津波調査トレンチでの高密度放射性炭素分析試料サンプリングを組み合わせることにより、津波堆積物の形成年代をより高精度に推定することを試みた。
従来より津波堆積物の年代決定をするための手法として放射性炭素年代測定法は、一般的に用いられてきた手法である。しかし、津波堆積物の年代値は、通常は津波堆積物を挟んで数試料程度実施されるのみであり、歴史記録との対比が困難な場合が多々存在した。 その理由としては、津波の到達時に生じると考えられる地表面の削剥などの年代測定試料自体に起因する問題点、古木効果など年代測定試料選択による問題点、暦年較曲線が対象とする年代域でフラットであった場合(たとえば江戸時代等)など暦年較正の機序による問題点等が考えられる。
本研究では、津波直下の泥炭層に着目をした。泥炭を年代測定試料に用いる利点としては、津波到達時の削剥がなければ泥炭層は津波の到達直前の有機物で構成されていることが明らかであること。泥炭の堆積は連続的であり、深度方向への連続サンプリングによって暦年較曲線とのウイグルマッチングが行える可能性があることがその理由である。
今回、多点数測定による津波堆積物の放射性炭素年代値の高精度化について宮城県岩沼市の高大瀬遺跡のトレンチ調査地を例に検討した。海岸線に直行する約15mの調査用トレンチにおいて、津波堆積物直下を水平方向に1m間隔のサンプリング、また、垂直方向には、津波堆積物直下の1mの連続サンプリングを行い、それを5mmないし20mmの非常に高密度な間隔でスライスし、高解像度14C分析を行った。水平方向および垂直方向それぞれの高分解能放射性炭素年代測定から、津波堆積物の高精度年代決定を試みた。その結果について報告する。