12:00 〜 12:15
[G03-12] 一般向けに特化した地理学のアウトリーチの手段とはどのようなものがありうるか
一般社会の中での地理へのニーズは潜在的にあり、テレビ番組(ブラタモリ、旅行番組、秘密のケンミンShow,クイズ番組の地理ネタ)や旅行、雑学本、ひいてはご当地グルメやご当地キャラ等、様々に展開されている。
しかし、これらの一般の中で展開されている地理を含んだコンテンツを仕掛けているのは、地理学者以外の人であることがほとんどである。そのせいもあってか、地理学者から見ると、間違った情報であったり、迷走している例もある。例えば、最近のご当地グルメは地域振興の救世主的な位置づけで開発されることが多いが,実際に開発されたグルメは単に焼きそばであったり、ご当地要素(素材や調理法等)を含んでいない場合もある。消費者側もその場所にある食べ物なら(例え埼玉県にある旭川ラーメンであっても)埼玉のご当地グルメと認識しているのが現状である。しかし本来ご当地グルメとはそのグルメの背景にある風土や文化があってこそのものであり、それらも含めて味わうことでよりいっそう味わい深くなるものであると考えられる。
このような現状に対して,地理以外の仕掛人に任せっきりにするのではなく、地理学者として貢献できる余地が多大にあるのではないだろうか。
演者らは、様々なレベルに応じた(勉強する気のない娯楽指向者からある程度勉強したいと思っている知識探求型まで)異なるアウトリーチの形があることに注目し、そのレベルごとに出来るアウトリーチの手段と地理学者の貢献場所について考えている。
地理学者がアウトリーチを行う場所として、旧来より博物館や郷土資料館、近年ではジオパーク等があり、一定の効果が見られている。さらに、地理学の柱である地図を中心とした国立地図学博物館の計画も進められたが,実現までには至っていない。これらのような博物館は自ら学ぶというスタンスの来場者や学校行事で来る児童・生徒が中心であり、一般社会人を含めた幅広い層、特にあまり勉強する気のない娯楽指向者への普及までには至っていないと考えられる。
そこで、一般への地理の普及の一つの手段として,演者らは地理的な視点を含んだ旅行ガイドブックの作成を検討している.すなわち、旅行者が娯楽の一環として旅行へ行くときに読む旅行ガイドブックに地理的な視点が多少なりとも入っていれば、その旅行ガイドを読むことで結果的に地理的素養が身に付くというものである。その実現へ向けていくつかの出版社や編集者の意見を聞いたので,それらも紹介したいと思っている。
さらには、一般への地理学のアウトリーチの手段として旅行ガイドブック以外にも、冒頭に挙げたようなTV番組や旅行のツアー等も考えられる。一般向けの(専門的でない)旅行ツアーガイドや企画旅行の立案を地理学者が直接行っている例は非常に少ないと思われる。そこで、これらのような企業において地理学を専門にした人材が活躍するのが理想的だと考える。具体的には,大学生の地理教育の一環として、サブカルチャーの中でヒットしている様々な地理ネタをシステマティックに学び、またそれらを学んだ大学生が社会に出てそれらの地理ネタ(旅行、TV,ご当地ものなど)を仕掛ける人材になっていくような仕組みを作ることである。大学生の地理教育としてはすでに地域調査士があるが、こちらは調査能力の育成を主目的としているので、ここでターゲットにしているアウトリーチとはおそらく異なるのだろう。サイエンスコミュニケーターの地理版としてのジオグラフィーコミュニケーターの育成が急務であると考えている。
しかし、これらの一般の中で展開されている地理を含んだコンテンツを仕掛けているのは、地理学者以外の人であることがほとんどである。そのせいもあってか、地理学者から見ると、間違った情報であったり、迷走している例もある。例えば、最近のご当地グルメは地域振興の救世主的な位置づけで開発されることが多いが,実際に開発されたグルメは単に焼きそばであったり、ご当地要素(素材や調理法等)を含んでいない場合もある。消費者側もその場所にある食べ物なら(例え埼玉県にある旭川ラーメンであっても)埼玉のご当地グルメと認識しているのが現状である。しかし本来ご当地グルメとはそのグルメの背景にある風土や文化があってこそのものであり、それらも含めて味わうことでよりいっそう味わい深くなるものであると考えられる。
このような現状に対して,地理以外の仕掛人に任せっきりにするのではなく、地理学者として貢献できる余地が多大にあるのではないだろうか。
演者らは、様々なレベルに応じた(勉強する気のない娯楽指向者からある程度勉強したいと思っている知識探求型まで)異なるアウトリーチの形があることに注目し、そのレベルごとに出来るアウトリーチの手段と地理学者の貢献場所について考えている。
地理学者がアウトリーチを行う場所として、旧来より博物館や郷土資料館、近年ではジオパーク等があり、一定の効果が見られている。さらに、地理学の柱である地図を中心とした国立地図学博物館の計画も進められたが,実現までには至っていない。これらのような博物館は自ら学ぶというスタンスの来場者や学校行事で来る児童・生徒が中心であり、一般社会人を含めた幅広い層、特にあまり勉強する気のない娯楽指向者への普及までには至っていないと考えられる。
そこで、一般への地理の普及の一つの手段として,演者らは地理的な視点を含んだ旅行ガイドブックの作成を検討している.すなわち、旅行者が娯楽の一環として旅行へ行くときに読む旅行ガイドブックに地理的な視点が多少なりとも入っていれば、その旅行ガイドを読むことで結果的に地理的素養が身に付くというものである。その実現へ向けていくつかの出版社や編集者の意見を聞いたので,それらも紹介したいと思っている。
さらには、一般への地理学のアウトリーチの手段として旅行ガイドブック以外にも、冒頭に挙げたようなTV番組や旅行のツアー等も考えられる。一般向けの(専門的でない)旅行ツアーガイドや企画旅行の立案を地理学者が直接行っている例は非常に少ないと思われる。そこで、これらのような企業において地理学を専門にした人材が活躍するのが理想的だと考える。具体的には,大学生の地理教育の一環として、サブカルチャーの中でヒットしている様々な地理ネタをシステマティックに学び、またそれらを学んだ大学生が社会に出てそれらの地理ネタ(旅行、TV,ご当地ものなど)を仕掛ける人材になっていくような仕組みを作ることである。大学生の地理教育としてはすでに地域調査士があるが、こちらは調査能力の育成を主目的としているので、ここでターゲットにしているアウトリーチとはおそらく異なるのだろう。サイエンスコミュニケーターの地理版としてのジオグラフィーコミュニケーターの育成が急務であると考えている。