18:15 〜 19:30
[SCG64-P05] 伊豆小笠原弧,スミスカルデラ周辺海域から採取された火山岩類の形態的および記載岩石学的特徴
キーワード:スミスカルデラ, バイモーダル火山活動, スパター噴出物, デイサイト質軽石
伊豆・小笠原弧は,伊豆半島の南方に位置し,総延長約1,500km,幅約400kmにわたって広がる,火山活動の活発な海洋性島弧である.伊豆・小笠原弧上の七島・硫黄島海嶺には第四紀の火山帯が南北に連なり火山フロントを構成し,多くは海底カルデラを伴っている(村上,1997).
本研究では,2014年5月9日から15日にかけ東海大学望星丸により採取されたスミスカルデラの地形及び岩石の記載・分析を行い,構成する岩石とカルデラの形成過程について考察を行った.
その結果,①スミスカルデラの直径は9km,②スミスカルデラ外輪山頂部の水深は30m,③カルデラ壁は外側斜面より急峻,④カルデラ外側斜面には階段状地形が発達,⑤カルデラ底の水深は900m,⑥中央には比高100mの中央火口丘が存在していることが明らかになった.ドレッジ採泥調査の結果,カルデラ底および中央火口丘からは斑晶が目立つ流紋岩質火山岩および変質火山砕屑岩が採取され,カルデラ壁下部~中部では流紋岩質の火山岩が分布し,外輪山頂部付近からは気泡や斑晶が目立つ玄武岩質と流紋岩質の新鮮な火山岩が分布している事が明らかになった.岩石化学組成では,SiO?の値が49.6(wt.%)~51.1(wt.%)と67.5(wt.%)~69.4(wt.%)の二か所に集中し,安山岩質火山岩が欠如する典型的なバイモーダル火山活動が確認され,伊豆・小笠原島弧特有の海底カルデラ火山活動が確認された.
背弧側の斜面からは,扁平な玄武岩質火山岩,大量の軽石,酸性深成岩が採取された.扁平玄武岩は,その形態的特徴より水中噴出したスパター噴出物であり,アグルチネート化(融着試料)した試料もあることから火口付近で形成されたものと推定した.同時に大量のデイサイト質軽石(角礫質)も採取され,安山岩質の火山岩を含まない事より,背弧側においてもバイモーダル火山活動が推定された.
本研究では,2014年5月9日から15日にかけ東海大学望星丸により採取されたスミスカルデラの地形及び岩石の記載・分析を行い,構成する岩石とカルデラの形成過程について考察を行った.
その結果,①スミスカルデラの直径は9km,②スミスカルデラ外輪山頂部の水深は30m,③カルデラ壁は外側斜面より急峻,④カルデラ外側斜面には階段状地形が発達,⑤カルデラ底の水深は900m,⑥中央には比高100mの中央火口丘が存在していることが明らかになった.ドレッジ採泥調査の結果,カルデラ底および中央火口丘からは斑晶が目立つ流紋岩質火山岩および変質火山砕屑岩が採取され,カルデラ壁下部~中部では流紋岩質の火山岩が分布し,外輪山頂部付近からは気泡や斑晶が目立つ玄武岩質と流紋岩質の新鮮な火山岩が分布している事が明らかになった.岩石化学組成では,SiO?の値が49.6(wt.%)~51.1(wt.%)と67.5(wt.%)~69.4(wt.%)の二か所に集中し,安山岩質火山岩が欠如する典型的なバイモーダル火山活動が確認され,伊豆・小笠原島弧特有の海底カルデラ火山活動が確認された.
背弧側の斜面からは,扁平な玄武岩質火山岩,大量の軽石,酸性深成岩が採取された.扁平玄武岩は,その形態的特徴より水中噴出したスパター噴出物であり,アグルチネート化(融着試料)した試料もあることから火口付近で形成されたものと推定した.同時に大量のデイサイト質軽石(角礫質)も採取され,安山岩質の火山岩を含まない事より,背弧側においてもバイモーダル火山活動が推定された.