日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CC 雪氷学・寒冷環境

[A-CC28] 雪氷学

2015年5月25日(月) 09:00 〜 10:45 201B (2F)

コンビーナ:*鈴木 啓助(信州大学理学部)、兒玉 裕二(国立極地研究所)、座長:鈴木 啓助(信州大学理学部)

09:30 〜 09:45

[ACC28-03] 冬季モンスーン時の富山平野における降雪融解による冷却

*吉兼 隆生1馬 燮銚1 (1.独立行政法人海洋研究開発機構)

キーワード:降雪, 融解冷却, 地上気温, 冬季モンスーン

冬季モンスーン期間の降水時に富山平野において地上気温の出現頻度分布のピークが0℃付近に観測される。降雪の融解が富山平野での冷却の主要因であると仮定し、アメダスによる1990年から2009年までの1月の時別データを用いて、沿岸(羽咋)と内陸(富山)との気温の関係を調査した。沿岸域で0~4℃の気温が観測されるときは、内陸では0℃付近の気温を維持する傾向がみられた。0?4℃の気温は雪から雨に変化する温度帯に相当する。この関係は。降水が起こりにくい状況の時は不明瞭であった。次に、観測で得られた経験式を用いて、沿岸と内陸の気温の関係を見積もった結果、観測とほぼ同じ特徴が得られた。以上の結果から、富山平野で顕著にみられる0℃付近の気温出現頻度ピークは、冬季モンスーンに伴う沿岸からの空気塊が、内陸に到達するまでに降雪の融解によって0℃付近まで冷却されることが原因であると推測される。