日本地球惑星科学連合2015年大会

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ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-MP 岩石学・鉱物学

[S-MP44] メルト-延性-脆性岩体のダイナミクスとエネルギー・システム

2015年5月25日(月) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*土屋 範芳(東北大学大学院環境科学研究科環境科学専攻)、浅沼 宏(産業技術総合研究所)

18:15 〜 19:30

[SMP44-P01] 花崗岩の透水-難透水遷移および弾性-塑性遷移

*沼倉 達矢1渡邉 則昭1坂口 清敏1土屋 範芳1 (1.東北大学大学院環境科学研究科)

キーワード:地熱貯留層, 花崗岩, 弾性-塑性遷移, 浸透率予測

近年,再生可能エネルギー開発の分野で地熱エネルギーが注目されている.既往の地熱貯留層は比較的低温・低圧領域に形成されるため脆性的な力学挙動を示し,逸水や誘発地震を引き起こしてしまう.一方,超臨界流体となる高温・高圧環境下における地熱貯留層の形成はこれらの課題を解決し,さらに高いエネルギーを生み出す可能性がある.しかし,この領域では岩盤が延性的な力学挙動を示すと考えられており,透水率といった水理特性の評価が困難である.
本発表では稲田花崗岩に対し,力学的に半脆性~延性領域を示す温度・圧力条件の解明と各領域における水理特性の解明に関する研究について報告する.まず所望の環境下における水理学試験を行える実験システムを開発した.実験条件は温度350,380,400,450℃,有効封圧5,10,20,30,40,50,60,70,80,90MPaに設定し,間隙流体は1~2MPaに定圧制御しながら試料内を透過させた.その結果,花崗岩の透水率が急激に低下する脆性-延性(弾性-塑性)遷移の圧力依存性が各温度条件で異なることを明らかにした.また,脆性領域と延性領域での透水率の減少率から透水率および力学挙動を予測する方法を見出した.