日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS31] 地殻変動

2015年5月25日(月) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*太田 雄策(東北大学大学院理学研究科附属地震・噴火予知研究観測センター)、村瀬 雅之(日本大学文理学部地球システム科学科)

18:15 〜 19:30

[SSS31-P17] 観測点の上流部からの流入を考慮したひずみ計データの降水補正の試み(1)

*木村 一洋1 (1.気象研究所)

キーワード:ひずみ計, 降水補正, 上流部からの流入

木村・他(2015)は、東海地域の体積ひずみ計16観測点の降水補正の結果から、観測点の上流部からの流入がない観測点では良好な降水補正が可能だが、観測点の上流部からの流入がある観測点では降水補正をしてもバラつきが大きいことを明らかにした。そこで気象研究所では、観測点の上流部からの流入の影響を取り入れた体積ひずみ計の降水補正手法について、複数の手法による調査を開始した。

まず1つ目の取り組みとして、山の上部で観測している雨量計のデータを用いることによって降水補正が改善するかを試みた。東伊豆奈良本の観測点は天城山の裾野に位置しており、山の上部に降った降水が地下水として流入する影響を受けていると考えられる。現在は、これまで稲取のアメダス(標高130m)のデータのみを用いた降水補正を行ってきたが、これに天城山のアメダス(標高1070m)のデータも組み合わせた降水補正を行ったところ、若干ではあるが改善効果が得られた。

また、2つ目の取り組みとして、河川水位の観測による降水補正の改善に取り組み始めた。島田川根の観測点は大井川と身成川に挟まれた高台に位置しており、山の上部に降った降水が身成川として流入する影響を受けていると考えられる。そこで、この身成川に衛星通信型で太陽電池パネルを用いた水位計を設置した。

本発表では、それらの概要について紹介する。