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[SVC46-17] Xバンド偏波レーダおよびKaバンドドップラーレーダによる桜島火山の噴煙柱の観測
キーワード:気象レーダ, Kaバンドレーダ, 火山灰雲, 反射因子, ドップラー速度, サイズソーティング
桜島火山の二つの爆発的噴火事例について,Xバンド偏波レーダとKaバンドドップラーレーダのデータを解析して噴煙柱の内部構造を調べた。第一の噴火事例は2013年8月18日の噴火で,噴煙柱高度が火口から5.5kmまで達し,桜島から約10kmに位置する鹿児島市内に降灰をもたらした。火口から約10kmに配置された現業Xバンド偏波レーダの観測データ(5分間隔,1.7°~20°の12仰角)を線形補間して,時間30秒間隔,仰角0.5°間隔の3次元ボリュームデータを作成した。データの種類は反射強度,ドップラー速度,反射因子差,水平と垂直偏波の相関係数である。3次元データの解析から,噴火直後の噴煙柱内は一様な構造ではなく複数の反射強度のコアからなっていることがわかった。ドップラー速度から火口直上で約60m/sの噴出速度が検出された。噴煙柱が風下に流れていく過程ではふるい分け効果による粒径分布の均質化と降灰粒子の落下姿勢の一様化が示唆された。二番目の事例は2014年5月10日の噴火で噴煙高度は火口から4500mであった。この事例では, Xバンド偏波レーダデータに加えて,火口から3.6kmに設置された研究用Kaバンドドップラーレーダの高感度・高時空間分解能のデータを解析した。Kaバンドレーダによる噴煙柱の鉛直断面解析から,噴火から最大高度に達するまでの噴煙柱の内部構造の変化を明らかにした。