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[PEM28-P14] 衛星観測データに基づく磁気中性線付近の構造の解明
キーワード:磁気リコネクション, ホール効果, 非対称性, GEOTAIL衛星
本研究では、X=5~15Reの磁気圏昼間側及びX=-30~-10Reの磁気圏夜側の磁気リコネクション構造についてGEOTAIL衛星のデータを用いて調べた。特に、磁気圏夜側に比べ、これまで重点的に研究されてこなかった磁気圏昼間側について解析を進めた。一般的に、磁気圏夜側では同じ磁気圏プラズマ同士がリコネクションを起こすため対称なリコネクションが起ると考えられている。他方、磁気圏昼間側では磁気圏プラズマと太陽風プラズマがリコネクションを起こすため、非対称なものになると考えられている。本研究では、GEOTAIL衛星観測データをもとに速度と磁場の同時符号反転を基準にリコネクションイベントを選定した。また、磁場と電子・イオンの速度モーメントも合わせて用いて、プラズマと電磁場のエネルギーのやりとり、中性線付近のHall効果によって作られる四重極構造等について詳細に調べた。解析した磁気圏夜側イベントは36例で、そのうち13例のイベントではイオン速度分布関数において高温の高速流成分と低温の流入成分が混在して観測された。これは磁気リコネクション領域で観測される典型的な特徴である。また、中性線近傍での加熱も12例同定する事ができた。一方で、磁気圏昼間側イベントは26例あり、2成分のプラズマが同時に観測されるイベントはなく、中性線付近での加速及び加熱はそれぞれ5例ずつと、磁気圏夜側リコネクションで見られる典型的な特徴はほとんど見られなかった。さらに、磁気圏夜側のリコネクションではHall効果に起因する四重極磁場構造(By)が観測されるのだが、昼間側リコネクションでは26例中10例のみで四重極磁場構造が確認され、残りの16例のBy成分に関しては別の構造をしている事がわかった。この結果をもとに、対称・非対称磁気リコネクションの違いについて議論する。