日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-04] 小・中・高等学校の地球惑星科学教育

2015年5月24日(日) 09:30 〜 10:45 102B (1F)

コンビーナ:*畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、座長:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)

09:30 〜 09:45

[G04-01] 富士山頂の極地高所環境を活用した模擬衛星Fuji-Satプロジェクト

*東郷 翔帆1須藤 雄志1鴨川 仁1新田 英智1 (1.東京学芸大学教育学部物理学科)

キーワード:小型衛星, 模擬衛星, 富士山

我々は大学宇宙工学コンソーシアム(通称:UNISEC)に所属する複数の研究室・学生団体の学生らと地震予測衛星の共同開発を行っている。本プロジェクトではその地上モデルを作製しそれを富士山頂の極所で試験することにより、得られた観測概念や製作技術を実機の計画へと生かす。2013年は富士山頂と宇宙空間の類似性を調べるべく予備研究を行った。予備研究では富士山頂における太陽パネルの充電状況、バッテリー状態、周辺温度状況などを、データロガーを用いて計測し、宇宙との類似性について越冬観測を通して調査した。2014年夏季はそれらの知見に基づき富士山頂に模擬衛星(Fuji-Sat)を設置した。予備実験の結果を踏まえ、通信・データ処理機能も含めた本格的な地上モデルの製作を行った。本機器は越冬期間中の電磁波強度変動を観測し、創価大学のアマチュア無線局を利用して通信によるデータの受信も行う。設置作業時には実際に創価大学 地上局から送信した音声データを富士山頂測候所内で受信することに成功した。これらの機器は厳しい温度環境に合わせた保護や充電機能の設計がなされており、2015年では約1年間の電磁波強度変動越冬データを回収することができると予想される。