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[SVC45-P05] 2014年3月以降の草津白根山の火山活動
キーワード:草津白根山, GNSS, 熱赤外観測
草津白根山では,2014年3月上旬から地震活動が活発化した.その後全磁力観測で熱消磁と考えられる変化がみられたほか,東京工業大学から湯釜付近の地殻変動や火山ガスの組成に変化がみられるとの報告があるなど活動の高まりがみられたことから,気象庁では2014年6月3日に噴火警戒レベルを1から2に引上げた.このような草津白根山の火山活動について,2014年3月以降の気象庁の観測結果について報告する.
火山性地震は,その多くが湯釜の直下から,その南側で発生し,発生回数のピークは2014年7月であった.詳細な震源等は松田ほか(2014)にてとりまとめられている.
湯釜周辺で毎年実施しているGNSS繰り返し観測においては膨張性の地殻変動が観測された.変動(膨張)源は,茂木モデルを想定すると,湯釜付近の北側の深さ約500m(標高約1700m)である.この結果は,寺田ほか(2014)による東京工業大学が湯釜周辺に設置した傾斜計のデータ解析結果と大きな差はない.なお,2013年9月から2014年7月にかけての変動に比べ,2014年7月から同年11月にかけての変動では,若干北寄りに求まっている.解析には火山用地殻活動解析支援ソフトウェアMaGCAP-V(気象研究所地震火山部,2013)を使用した.
地磁気観測所(2014)によると全磁力の連続観測データにおいては,2014年5月以降熱消磁とみられる変化がみられた.この変化は,7月以降は停滞した.毎年行っている繰り返し観測ではこれに該当するような変化はみられず,この熱消磁はかなり小規模であったと考えられる.
2014年7月及び同11月に現地調査を実施し,熱赤外観測等により湯釜火口内北側斜面,北側噴気地帯で高温域と明瞭な噴気を確認した.これらの地熱域では2008年頃より活発化がみられており,2014年もこの活動が継続していることを確認した.このほか,群馬県及び陸上自衛隊東部方面航空隊の協力による上空からの観測でも,これら地熱地帯の状況を確認した.
これらの観測データから,草津白根山では,2014年5月頃から7月頃をピークとした地下の熱活動の高まり(温度上昇)を伴う湯釜付近の膨張があったものと考えている。今後顕著な表面現象に至る可能性もあることから引き続き監視を強化しているところである。
火山性地震は,その多くが湯釜の直下から,その南側で発生し,発生回数のピークは2014年7月であった.詳細な震源等は松田ほか(2014)にてとりまとめられている.
湯釜周辺で毎年実施しているGNSS繰り返し観測においては膨張性の地殻変動が観測された.変動(膨張)源は,茂木モデルを想定すると,湯釜付近の北側の深さ約500m(標高約1700m)である.この結果は,寺田ほか(2014)による東京工業大学が湯釜周辺に設置した傾斜計のデータ解析結果と大きな差はない.なお,2013年9月から2014年7月にかけての変動に比べ,2014年7月から同年11月にかけての変動では,若干北寄りに求まっている.解析には火山用地殻活動解析支援ソフトウェアMaGCAP-V(気象研究所地震火山部,2013)を使用した.
地磁気観測所(2014)によると全磁力の連続観測データにおいては,2014年5月以降熱消磁とみられる変化がみられた.この変化は,7月以降は停滞した.毎年行っている繰り返し観測ではこれに該当するような変化はみられず,この熱消磁はかなり小規模であったと考えられる.
2014年7月及び同11月に現地調査を実施し,熱赤外観測等により湯釜火口内北側斜面,北側噴気地帯で高温域と明瞭な噴気を確認した.これらの地熱域では2008年頃より活発化がみられており,2014年もこの活動が継続していることを確認した.このほか,群馬県及び陸上自衛隊東部方面航空隊の協力による上空からの観測でも,これら地熱地帯の状況を確認した.
これらの観測データから,草津白根山では,2014年5月頃から7月頃をピークとした地下の熱活動の高まり(温度上昇)を伴う湯釜付近の膨張があったものと考えている。今後顕著な表面現象に至る可能性もあることから引き続き監視を強化しているところである。