日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CC 雪氷学・寒冷環境

[A-CC28] 雪氷学

2015年5月25日(月) 09:00 〜 10:45 201B (2F)

コンビーナ:*鈴木 啓助(信州大学理学部)、兒玉 裕二(国立極地研究所)、座長:鈴木 啓助(信州大学理学部)

09:15 〜 09:30

[ACC28-02] 地吹雪発生時の大気電場の変動について

*鈴木 裕子1鴨川 仁1源 泰拓2門倉 昭3佐藤 光輝4 (1.東京学芸大学教育学部物理学科、2.気象庁地磁気観測所、3.国立極地研究所、4.北海道大学 大学院理学研究院)

キーワード:地吹雪, 大気電場, 摩擦帯電

地球は電離圏と大地との間で全球的巨大球殻コンデンサーをなしており、約100 V/mの大きさの電場が地表に存在する。このコンデンサーは宇宙線によってわずかに電離させられた大気を通じてたえず放電し、対地雷によって充電されている。全球的電気回路はグローバルサーキットと呼ばれ、大気電場及び世界中の全対地雷強度の測定により推進できると考えられている。大気電場は僅かな大気汚染にも影響を受けるため極域で観測することは理想的であるが、極域では地吹雪の帯電が観測のノイズ源となる。南極昭和基地における雪と大気電場の研究は古くからしばしば行われており、風速が大きくなるとkV/mのオーダーまで電場が大きくなることが知られている。昭和基地では雷雲がないことから、この地吹雪のみが大気電場のノイズ源となる。本研究では、グローバルサーキット変動成分抽出の精度を高めるため、地吹雪による大気電場変動の解明を目指す。先行研究では、地吹雪時の雪の多くは負に帯電していることがよくわかっており、我々のゲルディエンコンデンサー型によるイオン測定機器を用いても同様な結果を得た。複数の先行研究にもとづきポアソン方程式シミュレーションを用いて電荷が作る電場を求めた。計測された正の電場と、地吹雪が負に帯電することにより、相対的に地面の表面には正に帯電していると解釈できた。