18:15 〜 19:30
[SSS26-P04] 脈動記録を用いた霧島山の表面波速度構造推定の試み
キーワード:霧島山, 表面波速度構造, 脈動記録
2011年1月に噴火した霧島山新燃岳については、地殻変動の圧力源が新燃岳の北西5 km、深さ約8 kmの位置に検出され、噴火に関わるマグマだまりであると考えられている(Nakao et al., 2013)。しかし、このマグマだまりを地震学的手法によってイメージングした研究例はまだない。複数の手法によりマグマだまりの位置を推定できれば、その存在がより確からしくなる。また、詳細な地震波速度構造を求めることにより、霧島山のマグマ供給系を解明することが期待される。
本研究では、地震波干渉法により霧島山周辺の観測点間を伝播する表面波を抽出し、表面波位相速度トモグラフィーによって上部地殻の位相速度構造を推定することで、マグマだまりのイメージングを試みる。地震波干渉法は脈動などのランダムな波動場から観測点間の地震波伝播を抽出する手法であり、局所的な構造の推定に適している。
霧島山周辺の38観測点(東大地震研、京大 火山研究センター、防災科研、気象庁)の上下動成分で記録された2011年4月~2013年12月の脈動記録を用いた。まず脈動記録の相互相関関数を計算することにより、観測点間を伝播するRayleigh波を抽出した。次に、SPAC法により分散を測定し、解析領域全体の平均構造に対応する分散曲線とした。様々な周波数帯において、パスごとに平均構造に対する走時異常を測定した。
霧島周辺の観測点間を伝播するRayleigh波は、0.1 Hzで位相速度約2.7 km/s、0.8 Hzで約1.7 km/sという分散性を示した。この平均構造に対して各パスの走時異常を測定すると、周波数帯によらず、霧島山の山体内は周囲に比べて低速度という大局的な傾向がある。また、マグマだまりがあると考えられている領域の浅部(地表から数km程度)は比較的高速度となっている。今後は、各パスの走時異常を用いて、表面波位相速度トモグラフィーにより速度構造を推定する。
本研究では、地震波干渉法により霧島山周辺の観測点間を伝播する表面波を抽出し、表面波位相速度トモグラフィーによって上部地殻の位相速度構造を推定することで、マグマだまりのイメージングを試みる。地震波干渉法は脈動などのランダムな波動場から観測点間の地震波伝播を抽出する手法であり、局所的な構造の推定に適している。
霧島山周辺の38観測点(東大地震研、京大 火山研究センター、防災科研、気象庁)の上下動成分で記録された2011年4月~2013年12月の脈動記録を用いた。まず脈動記録の相互相関関数を計算することにより、観測点間を伝播するRayleigh波を抽出した。次に、SPAC法により分散を測定し、解析領域全体の平均構造に対応する分散曲線とした。様々な周波数帯において、パスごとに平均構造に対する走時異常を測定した。
霧島周辺の観測点間を伝播するRayleigh波は、0.1 Hzで位相速度約2.7 km/s、0.8 Hzで約1.7 km/sという分散性を示した。この平均構造に対して各パスの走時異常を測定すると、周波数帯によらず、霧島山の山体内は周囲に比べて低速度という大局的な傾向がある。また、マグマだまりがあると考えられている領域の浅部(地表から数km程度)は比較的高速度となっている。今後は、各パスの走時異常を用いて、表面波位相速度トモグラフィーにより速度構造を推定する。