[S-GL38] 上総層群における下部ー中部更新統境界GSSP

[SGL38-09] 千葉県銚子市で掘削された銚子コアの花粉記録を用いた下部―中部更新統境界付近における植生変動の復元（予報）

*菅谷 真奈美¹、菅沼 悠介²、岡田 誠³ (1.茨城大学大学院理工学研究科、2.国立極地研究所、3.茨城大学理学部)

キーワード：中部ー下部更新統境界, 花粉分析

千葉県市原市田淵（田淵セクション）に露出する上総層群国本層の露頭は、下部-中部更新統境界（L-M境界）GSSP模式地となっているため、本地層における詳細な花粉記録の復元は重要である．しかし田淵セクションの堆積物は、遠洋性の堆積物であることから花粉密度が薄く，針葉樹花粉が過剰に優占するというように花粉組成が大きく歪んでいることが報告されている（大西，1969）．そこで本研究では，Okuda et al. (2006) によってL-M境界上位層準における良質な花粉記録が報告されている銚子コアを用いて，L-M境界付近における詳細な花粉記録の復元を行うことを目的とする．千葉県銚子市森戸町で掘削された銚子コアは，香取層および犬吠層群の豊里層，倉橋層，横根層，小浜層で構成されている．これらの地層は酸素同位体ステージ (MIS) 25-11を被覆し，下部-中部更新統境界をは横根層中部に相当する (Kameo et al., 2006)．犬吠層群は田淵セクションの近傍であるため，層序対比が比較的容易であり，L-M境界の位置を精度良く決定できる．今回はL-M境界を含むMIS20-18の区間に相当するコア深度150-170mの試料について花粉分析を行い， L-M境界付近の植生変動を議論する．

引用文献
Kameo et al., 2006. Island Arc, 15, 366-377.
Okuda et al., 2006. Island Arc, 15, 338-354.
Onishi, 1969. 地球科学, 24, 222-224.