日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS23] 月の科学と探査

2015年5月25日(月) 16:15 〜 18:00 A02 (アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張)

コンビーナ:*長岡 央(早稲田大学先進理工学部)、諸田 智克(名古屋大学大学院環境学研究科)、Masaki N Nishino(Solar-Terrestrial Environment Laboratory, Nagoya University)、本田 親寿(会津大学)、長 勇一郎(立教大学理学部)、座長:晴山 慎(聖マリアンナ医科大学生理学教室(物理学分野))、山田 竜平(国立天文台 RISE月惑星探査検討室)

17:36 〜 17:39

[PPS23-P03] かぐやレーダーサウンダー観測データに基づいた月の海の地下構造の3次元化

ポスター講演3分口頭発表枠

*石山 謙1熊本 篤志1中村 教博2 (1.東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻、2.東北大学大学院理学研究科地学専攻)

月の海領域に堆積している溶岩から、月の火山活動の履歴を議論するために、これまで溶岩の噴出年代[e.g., Hiesinger et al., 2000]や、その組成[e.g., Lucey et al., 2000]、月面の地形[e.g., Haruyama et al., 2008]などの主として月表面の観測データを統合した月の地質図が作成されてきた[e.g., Hiesinger et al., 2000; Hackwill et al., 2006; Bugiolacchi and Guest, 2008]。一方で、月では、表面の情報だけでなく、1970年代のアポロ17号ミッションや2007~2008年のSELENE(かぐや)ミッションで行われた地下レーダサウンディングによって地下の観測も行われている。これらの観測結果は表面だけではわからない地下層のつながりや不連続性の確認につながり、地表の情報で行われてきた地質解釈の検証も行っていくことができる。
かぐや衛星に搭載された月レーダーサウンダー(LRS)は、電磁波を放射し、月面と地下からの反射波を観測し、グローバルな月地下構造探査を行った[Ono et al., 2009]。この観測データと従来の地質図[引用元]を比較し、月の溶岩の噴出フラックス[Oshigami et al., 2014]や月の海領域の空隙率[Ishiyama et al., 2013]の議論が行われた。本研究ではさらに、従来の地質図との比較,新たな地質図への統合を目指して、緯度方向に1°、経度方向に約2°以下の間隔で地下反射面の深さを調べ、地下反射面の3次元データベースを作成した。講演では、このデータベースを使った月の海領域における3次元地下構造を、従来の地質図との比較検証の状況を紹介する。