11:36 〜 11:39
[SRD41-P03] ミャンマー南部アンチモニー鉱床の輝安鉱の硫黄同位体比
ポスター講演3分口頭発表枠
キーワード:アンチモニー, 輝安鉱, 硫黄同位体, 鉱床, 金, ミャンマー
アンチモニーは一般に変成(続生)流体や熱水から沈澱して鉱床を形成することが多く、金やタングステンなどを伴うこともある。ミャンマー南部には小規模なアンチモニー鉱床が南北に多数分布するが、その成因はよく分かっていない。本研究では、いくつかのアンチモニー鉱床から採取した輝安鉱(Sb2S3)の硫黄同位体比について論じる。
鉱床は石炭紀からペルム紀前期のMergui GroupおよびLebyin Groupの泥岩、砂岩、石灰岩に胚胎されており、輝安鉱-石英脈や鉱染状鉱体から構成される。これらの鉱体は変成流体により形成されたのか、またはマグマ性の熱水が混入した流体によって形成されたのかは不明である。鉱床周辺には火山岩はまれであるが、熱源となりうる花崗岩類(磁鉄鉱系及びチタン鉄鉱系)は広域的に分布している。鉱石中では輝安鉱と石英以外の鉱物の産出は少ない。輝安鉱は自形で長柱状を呈し、石英は緻密で乳白色を呈する。顕微鏡下では輝安鉱や石英中に細粒の自形黄鉄鉱が多少確認される。一部の試料では輝安鉱が変質鉱物であるcervantite (Sb2O4)に縁取られている。
輝安鉱から得られた硫黄同位体比はδ34S=-9.4〜+8.2 ‰まで幅広く変化した。軽い同位体比(δ34S < 0 ‰)は堆積岩母岩の硫黄に由来すると考えられ、一方で比較的重い同位体比(δ34S > 0 ‰)はより高温または酸化的な熱水の寄与に起因するのかもしれない。一般的に磁鉄鉱系列花崗岩類はチタン鉄鉱系に比べて重たい硫黄同位体比を示すが、本研究では硫黄同位体比と花崗岩類の分布には関係が見られなかった。
いくつかのアンチモニー鉱床は金の鉱化作用を伴っており、金が回収されていた。これらの鉱石中をfire assay法で分析した結果、0.1〜3 ppm程度の金が確認された。金含有鉱石の輝安鉱の硫黄同位体比は全て正の値であった。
鉱床は石炭紀からペルム紀前期のMergui GroupおよびLebyin Groupの泥岩、砂岩、石灰岩に胚胎されており、輝安鉱-石英脈や鉱染状鉱体から構成される。これらの鉱体は変成流体により形成されたのか、またはマグマ性の熱水が混入した流体によって形成されたのかは不明である。鉱床周辺には火山岩はまれであるが、熱源となりうる花崗岩類(磁鉄鉱系及びチタン鉄鉱系)は広域的に分布している。鉱石中では輝安鉱と石英以外の鉱物の産出は少ない。輝安鉱は自形で長柱状を呈し、石英は緻密で乳白色を呈する。顕微鏡下では輝安鉱や石英中に細粒の自形黄鉄鉱が多少確認される。一部の試料では輝安鉱が変質鉱物であるcervantite (Sb2O4)に縁取られている。
輝安鉱から得られた硫黄同位体比はδ34S=-9.4〜+8.2 ‰まで幅広く変化した。軽い同位体比(δ34S < 0 ‰)は堆積岩母岩の硫黄に由来すると考えられ、一方で比較的重い同位体比(δ34S > 0 ‰)はより高温または酸化的な熱水の寄与に起因するのかもしれない。一般的に磁鉄鉱系列花崗岩類はチタン鉄鉱系に比べて重たい硫黄同位体比を示すが、本研究では硫黄同位体比と花崗岩類の分布には関係が見られなかった。
いくつかのアンチモニー鉱床は金の鉱化作用を伴っており、金が回収されていた。これらの鉱石中をfire assay法で分析した結果、0.1〜3 ppm程度の金が確認された。金含有鉱石の輝安鉱の硫黄同位体比は全て正の値であった。