12:36 〜 12:39
[HQR23-P09] 東京湾におけるカキ礁の成長と珪藻群集-特に付着性珪藻のAmphora属に着目して
ポスター講演3分口頭発表枠
キーワード:東京湾, マガキ礁, 珪藻, マクロベントス, 生態系
東京湾内湾の沿岸部では、少なくとも20年以上前からマガキの群生(コロニー)は確認されてきたが、2000年頃に、湾最北部に位置する干潟、三番瀬(さんばんぜ)に、マガキ礁が現れはじめた。カキ礁出現による生態系への影響は、漁業者をはじめとする様々な人々の関心を集めたが、なぜ東京湾の中で三番瀬のみにカキ礁が成立したのか、また礁によって形成された生態系と、その成立条件である環境要因との関係については、明らかにされていない。
そこで著者らは、マガキの主要栄養源でもあり、生物ピラミッド(食物連鎖)の最下層に位置する植物プランクトンの一種である珪藻に注目しながら、ここ数年にわたり現生カキ礁の調査を行った。珪藻は塩分や環境に敏感に反応をし、棲み分けしそれぞれの環境に適応した群集が構成されることで知られている。カキ礁とその周辺で珪藻採取をし、カキ礁については、礁のサイズと、礁内の生息密度とその生物相(ベントス)について行なった。本研究では、この調査結果と、珪藻群集の変化から、カキ礁周辺の干潟環境の変化と生態系の変遷について考察し、明らかにする事を目的とする。
また浅海域における生態系と言えば、マクロベントスや魚を主とする生態系を指すことが多いが、干潟で生活する生物にとって大きな栄養源の一つとして、海藻類があげられる。珪藻群集における環境指標種群においても、海水藻場指標種群が設定されており、この事からも海藻類が与える影響が大きい事が分かるだろう。三番瀬のカキ礁周辺では、海藻のアオサが非常に多く、カキ礁の生態系を考える上でこの点を考慮する必要がある。そこで本研究では、海藻付着性珪藻として知られているAmphora属に着目した。このAmphora属は、カキ礁調査の中で、特徴的に産出した珪藻の一つである。Amphora属の産出傾向を踏まえながら、カキ礁の生態系の成り立ちとその変遷をモニタリングポストのデータと合わせて、より具体的に復元する。
そこで著者らは、マガキの主要栄養源でもあり、生物ピラミッド(食物連鎖)の最下層に位置する植物プランクトンの一種である珪藻に注目しながら、ここ数年にわたり現生カキ礁の調査を行った。珪藻は塩分や環境に敏感に反応をし、棲み分けしそれぞれの環境に適応した群集が構成されることで知られている。カキ礁とその周辺で珪藻採取をし、カキ礁については、礁のサイズと、礁内の生息密度とその生物相(ベントス)について行なった。本研究では、この調査結果と、珪藻群集の変化から、カキ礁周辺の干潟環境の変化と生態系の変遷について考察し、明らかにする事を目的とする。
また浅海域における生態系と言えば、マクロベントスや魚を主とする生態系を指すことが多いが、干潟で生活する生物にとって大きな栄養源の一つとして、海藻類があげられる。珪藻群集における環境指標種群においても、海水藻場指標種群が設定されており、この事からも海藻類が与える影響が大きい事が分かるだろう。三番瀬のカキ礁周辺では、海藻のアオサが非常に多く、カキ礁の生態系を考える上でこの点を考慮する必要がある。そこで本研究では、海藻付着性珪藻として知られているAmphora属に着目した。このAmphora属は、カキ礁調査の中で、特徴的に産出した珪藻の一つである。Amphora属の産出傾向を踏まえながら、カキ礁の生態系の成り立ちとその変遷をモニタリングポストのデータと合わせて、より具体的に復元する。