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[HGG21-P03] ケニア西部農村における生活用水管理-井戸待ち行列分析
キーワード:井戸, 待ち行列, 水セクター改革, ケニア
ケニアはWater Act 2002を定めて水セクター改革を進めてきたが,制度変革の議論は用水者以外のアクターをも含めた広がりで行われることが多く,改革が村落での自助的水利用にどう影響しているのかを具体的に明らかにすることが課題となっている。こうしたミクロな実態は,人々の費用負担意思を保って井戸を持続させるにはどうすべきかというガバナンス研究の論点を考えるうえでも不可欠である。本報告は,旧ニャンザ州,ホマベイ・カウンティの一地域(旧スバ県)において,井戸の利用・管理について行っている調査の続報である。まず,異なる運搬手段を用いる者の間で待ち時間の公平性が実現しているのかどうかを,待ち行列シミュレーションによって評価した結果を示す。また,こうした“模範行列”の検討に加えて,実際の行列において規則からの逸脱がどの程度みられるのかを,観察を通して明らかにする。事例井戸の自助集団は井戸の維持のため公的資金を調達するには至っておらず,構成員に費用と便益を配分する規則について常に合意を模索して資金を確保する必要があり,その結果として用水規則が柔軟に変化していると考えられる。