日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS28] 東アジア‐北西太平洋域高解像度古気候観測網

2015年5月27日(水) 14:15 〜 15:00 202 (2F)

コンビーナ:*多田 隆治(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、中川 毅(立命館大学)、池原 研(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、山本 正伸(北海道大学大学院地球環境科学研究院)、座長:多田 隆治(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)

14:30 〜 14:45

[MIS28-08] IODP Exp.346日本海第四紀半遠洋性堆積物の明暗層に基づくコア間、サイト間精密対比とその応用

*烏田 明典1多田 隆治1入野 智久2Richard Murray3Zarikian Carlos4Scientists Exp.3465 (1.東京大学 理学系研究科、2.北海道大学、3.Boston University、4.Texas A&M University、5.IODP)

キーワード:IODP, 堆積物, 対比, 日本海

日本海第四紀半遠洋性堆積物は数百~数千年スケールで繰り返す明暗互層によって特徴づけられ,何らかの過程を通じて半球規模の急激な気候変動と連動していることが示されている(多田 2012)。1989年に行われたIODP Leg127/128により2.5Ma頃から日本海全域で明暗層が現れ始め、1.5Ma頃から繰り返しが頻繁になることが判明している(多田 2005)。しかしこの航海で得られたコアはコアギャップにより連続でないため、複数サイト間の明暗層に基づく完全な対比を行うことが不可能であった。
 2013年に行われたExp.346 Asian Monsoonでは過去のサイトを含む日本海全域で1 Siteあたり3 ~4 Holeを掘削することにより完全連続な試料の回収に成功した。これにより初めて第四紀を通じた日本海全域の明暗層の完全連続層序の確立とサイト間対比が可能になった。
 今研究では先ず、層序の欠落の可能性が最も低いと思われるU1424地点において、詳細なHole間対比を基に完全連続な明暗層層序を確立すると共に、船上で取得されたロギングやMSTデータについてコア写真との厳密な対比を行ってノイズやずれを補正し、完全連続層序(改訂されたsplice)と厳密に対応づけられた連続データ(改訂されたspliced data)に編集し直した。同様の作業を深度の異なるU1425, U1426などについても行い、明暗層に基づいたサイト間の精密対比を確立すると共に、サイト間での色や物性の違いの比較も行う予定である。