日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD22] GGOS(全球統合測地観測システム)

2015年5月28日(木) 16:15 〜 18:00 303 (3F)

コンビーナ:*松坂 茂(公益社団法人 日本測量協会)、大坪 俊通(一橋大学)、座長:松坂 茂(公益社団法人 日本測量協会)、土井 浩一郎(国立極地研究所)

17:30 〜 17:45

[SGD22-13] GGOSにおけるDORISの寄与

*青山 雄一1土井 浩一郎1渋谷 和雄1植田 勲2福崎 順洋2 (1.国立極地研究所、2.国土地理院)

キーワード:DORIS, IDS, GGOS

衛星の軌道や地上局の位置を精密に決定するための宇宙測地技術のひとつであるが、日本ではなじみの薄いDORIS (Doppler Orbitography and Radiopositioning Integrated by Satellite)について紹介する。DORISは、高度計などの人工衛星に搭載した受信装置と、地上の電波ビーコンで構成され、衛星で受信した電波のドップラーシフトから1-2cmの精度で人工衛星軌道と地上局の位置を決定できる。1986年以降、CNES (Centre National D'Etudes Spatiales) と IGN (Institut national de l'information geographique et forestiere) により展開され、現在はIDS (国際DORIS事業) の国際観測網として位置づけられている、全球に均質に分布した約60の地上局ネットワークは、他の宇宙測地技術にはない特色であり、地球基準座標系の構築にも貢献している。そのため、GGOS (全球統合測地観測システム) の観測項目に含まれている。
 DORISの地上局システムは、屋内の2周波 (2036.25 MHzと401.25 MHz) ビーコン、周波数安定装置、UPS、Iriduimを介したリモート制御装置、ならびに屋外の無指向アンテナ、気象測器 (気圧、気温、湿度) からなる。観測は自動化されており、維持、管理、運用のしやすい装置である。にも関わらず、国内には地上局がないため、前述の通り、日本ではなじみが薄い。そこで、日本が運用している唯一のDORIS地上局がある、南極昭和基地を例に、DORISシステム、実際の運用、他の宇宙測地技術とのコロケーションなどを紹介する。