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[SGD23-12] 石垣島における陸水擾乱の重力への影響とそのモニタリングのための新たな試み
2012年1月末、国立天文台VERA石垣島観測局において、八重山諸島の地下で発生する長期的スロースリップの信号を捉えることを目的として超伝導重力計観測を開始した。これまで、台風による停電などによる短時間の欠測があるものの、ほぼ連続的に記録できている。しかし、スロースリップ起源の信号を同定することは容易ではなく、その理由は、大気・海洋・地下水などが複雑に関連し合って重力に影響していることに加え、大振幅の脈動ノイズが重力計の非線形応答を引き起こしていると考えられるためである(今西ほか、本大会)。なかでも、陸水擾乱の影響はモデリングが難しく、観測の成否をにぎる最重要な課題であると認識している。そこで、陸水擾乱の影響を詳しく知るために、新たにプロファイル水分計を設置して深い部分の土壌水分量変化の測定を始め、土壌水分量変化と相関した走時異常検出のための地震計も複数台導入した。2014年度末には、VERA局周辺の地下構造を知るための反射法地震探査を予定している。超伝導重力計の運転に関しては、液体ヘリウム充てんのほか、低温機器の保守作業を行った。また、2015年1月に、VERA石垣島局で初めて絶対重力計FG5(#217)による測定を実施したので、超伝導重力計との比較結果についても報告する予定である。