10:25 〜 10:45
★ [U05-04] 気候と生態系の相互作用継続観測のFuture Earth活動としての重要性
キーワード:Future Earth, 気候と生態系の相互作用, タワーフラックス観測, 生物資源政策, シベリアカラマツ林, 野外観測の継続性
地球の気候システムは、海陸生態系との相互作用によって動的平衡が保たれている。例えば、東シベリアカラマツ林でのタワー観測によると、少雨の夏でさえ一定の水蒸気を大気に返すことで、自らの生育に必要な湿潤気候を大陸奥地に維持している。しかし、人間活動を原因として、温暖化、永久凍土融解、その生態系応答等が生じており、カラマツ林と気候との動的平衡はシフトしてゆく可能性がある。また、カラマツ林等の生態系は貴重な生物資源でもあるから、森林伐採インパクトがこのシフティングに影響を及ぼす。
したがって、自然過程に関するサイエンス知見は環境政策にも生物資源政策にもリンクしており、国レベルの政策がこのリンクを認識すべきである。10年程度しか継続できていないタワーフラックス観測を基盤とする「気候と生態系の相互作用長期観測」を50年以上組織的に継続することが必須である。
しかし、その具体策は、気象や河川、衛星観測その他の業務観測に対して別途フラックス観測予算を要求するところにあるのではない。予算獲得競争ではなく、Anthoropoceneと呼ばれる 地球環境と人間社会の関係の変化を受けた生物圏観測の包括的な再編こそ、Transdisciplinaryを掲げるFuture Earthの中心となるべきなのではないだろうか。
したがって、自然過程に関するサイエンス知見は環境政策にも生物資源政策にもリンクしており、国レベルの政策がこのリンクを認識すべきである。10年程度しか継続できていないタワーフラックス観測を基盤とする「気候と生態系の相互作用長期観測」を50年以上組織的に継続することが必須である。
しかし、その具体策は、気象や河川、衛星観測その他の業務観測に対して別途フラックス観測予算を要求するところにあるのではない。予算獲得競争ではなく、Anthoropoceneと呼ばれる 地球環境と人間社会の関係の変化を受けた生物圏観測の包括的な再編こそ、Transdisciplinaryを掲げるFuture Earthの中心となるべきなのではないだろうか。