日本地球惑星科学連合2015年大会

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[O-01] ジオパークへ行こう

2015年5月24日(日) 16:15 〜 18:00 国際会議室 (2F)

コンビーナ:*渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、座長:渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)

16:55 〜 17:15

[O01-08] 天草の島体験を紹介

*鵜飼 宏明1 (1.天草ジオパーク推進協議会)

キーワード:天草, 体験, 御所浦

大小120もの島々で構成される天草諸島は、1億年という時間の記憶が刻まれ、生命の不思議を感じさせてくれる、まさに『宝』の島である。その島々で繰り広げられる人の営みによって独自の文化が育まれ、海と島の幸に恵まれた魅力ある天草。天草ジオパークでは、大地の遺産(地質・化石・地形)、生態系、そして人の歴史、石を使った文化、産業など、この地域を特徴づける5つの要素を柱と位置づけ、多くの人たちに知ってもらい、その保全と継承に力をいれている。「天草ジオパーク」の目標は、御所浦地域を拠点として、天草地域(上天草市・天草市・天草郡苓北町の地域)の交流人口の増加による地域の振興、さらに多様な地域資源を活かした天草地域全体の商業の発展による誇りや郷土愛の醸成である。現在すでに修学旅行や学習旅行として利用されている御所浦地域と、これから期待できる天草の資源について紹介する。
御所浦地域は、恐竜を始めとする貴重な化石を含む地質があり、旧御所浦町で行っていた御所浦地域を1つの博物館と見立てて整備を行う「御所浦町全島博物館構想」での活動などにより、平成9年以降、化石採集場、化石公園、アンモナイト館などの整備、島内各地の40箇所を超す地点に看板または恐竜を中心とする古生物のオブジェが整備されている。これらの地点は海上タクシーやサイクリングなどで見学することができるほか、平成13年から化石採集や磯観察、とんとこ漁、民泊などの御所浦地域の自然と文化を体験できるプログラムを目的に、小学生から高校生の修学旅行団体が訪れている。修学旅行以外の団体では、子供会、学校の授業、体験型観光旅行などで、化石採集体験が利用されている。御所浦地域は、平成19年5月の『日本の地質百選』、日本ジオパークネットワーク(JGN)「天草御所浦ジオパーク」認定(平成21年10月)、JGN再認定(平成25年12月)、さらには『天草ジオパーク』認定(平成26年8月)など、ジオパークとして特色のある地域作りが評価されてきた。
我々はその地形により育まれた豊かな海の生命の恩恵をうけている。また、現場で活動するガイドは「ジオパークとはなにか」を的確に説明するジオパークの普及者として重要であると共に、地域住民と一体になった取り組みまたは教育普及などに必要な存在である。天草ジオパークではこの大地の遺産に恵まれた島々の自然の保護と、そこに暮らす人々の文化を体験できる地域づくりを行い、教育、地域振興および観光振興等を含めた総合的な展開を図るものである。