17:30 〜 17:33
[SSS25-P09] 東濃地震科学研究所の地震観測点戸狩およびTRIESにおける雑微動最小振幅と地震動最大振幅との関係
ポスター講演3分口頭発表枠
キーワード:雑微動, 地震動, 離散フーリエ変換, 最小振幅, 最大振幅, サイト・エフェクト
東濃地震科学研究所(TRIES)の地震観測点は1999年5月に02TRIES点、8月には00戸狩点が設置されて、同年内に10点の観測網が完成した。この新設時期に観測された雑微動と地震動の関係を調べるため、02TRIES観測点を「基準点」とし、他の観測点における雑微動と地震動の観測値は、それぞれ00TRIESの値で除した相対値で与えることとした。設置された地震計は固有振動数3.0Hzの過減衰型加速度計であり、1.0~10.0Hzの帯域でほぼ水平な特性である。トリガーが作動して、100Hzサンプリング記録が始まり、遅延がかけられた初動までの雑微動の最小振幅、それに続く地震動から最大振幅を求めている。雑微動については数~10秒間、地震動振幅についてはP波、S波、表面波部分を数秒~10秒間、それぞれ離散フーリエ変換した。東濃地域における地震動観測から明らかにされてきたsite effectに基づいて、2.0~4.0Hzの振動数帯域が地震動災害に大きく関わると考え、上記帯域を幅0.1Hz、21区間に分割して、各区間での地震動振幅最大値と雑微動振幅最小値を計算した。02TRIES観測点では70個を超える雑微動記録から最小振幅はかなり高い信頼性で決定できたが、今回報告する00戸狩観測点は14個の雑微動データしか解析できておらず、まだその信頼性は高くない。結果は全て雑微動振幅の最小値、地震動振幅の最大値ともに、02TRIES点での値で除した相対値で与えて地震のマグニチュードや震央距離などの影響を少なくしてsite effectを強調することとした。2観測点だけの予備的解析結果であるが、雑微動最小振幅値と地震動最大振幅値の組み合わせからsiteeffectとの有意な関連性を導くことが出来そうである。雑微動最小振幅から震源、マグニチュード、メカニズム等を想定すれば02TRIES観測点に対する最大地震動振幅の予想が出来ると考えている。