日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS21] 大気化学

2015年5月27日(水) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*澤 庸介(気象研究所海洋・地球化学研究部)、竹川 暢之(首都大学東京 大学院理工学研究科)、金谷 有剛(独立行政法人海洋研究開発機構地球環境変動領域)、高橋 けんし(京都大学生存圏研究所)、谷本 浩志(国立環境研究所)

18:15 〜 19:30

[AAS21-P17] 暖温帯林内にあるタワーを利用したエアロゾル粒径分布の鉛直プロファイル計測

*高橋 けんし1矢吹 正教1松田 和秀2津田 敏隆1 (1.京都大学生存圏研究所、2.東京農工大学)

キーワード:大気エアロゾル, 粒径分布, タワー観測

大気エアロゾルにとって乾性沈着および湿性沈着は、大気中からの除去過程として重要である。また、エアロゾルの沈着は、陸域表層環境の富栄養化や酸性化にも関連していることが知られている。我々は、2013年および2014年の夏季に、暖温帯林をフィールドとして、超微小粒子からサブミクロン粒子までの広い粒径範囲における粒径分布を、鉛直方向に高度分解しながら測定を行うことによって、エアロゾルの時空間変動を抽出する新しい方法の開拓に挑戦した。集中観測は、東京都八王子市にある東京農工大学フィールドミュージアム(FM)多摩丘陵で行った。FM多摩丘陵は、都市圏にある小規模な森林集水域であり、とりわけ人為起源エアロゾルと森林生態系との相互作用を探求するには適したサイトであると考えられる。サイトの尾根部分に地上30m高の観測タワーが立っているため、このタワーをプラットフォームとして活用することにより、森林樹冠内部と樹冠直上におけるエアロゾル粒径分布を、高度分解しながら測定することを試みた。発表では、観測システムの概要、とりわけ、2014年実施の観測における技術的改良や、樹冠内外における超微小粒子およびサブミクロン粒子の個数濃度変動に見出された特徴について考察する。