日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS24] ガスハイドレートと地球環境・資源科学

2015年5月28日(木) 09:00 〜 10:45 102B (1F)

コンビーナ:*戸丸 仁(千葉大学理学部地球科学科)、八久保 晶弘(北見工業大学環境・エネルギー研究推進センター)、森田 澄人(独立行政法人 産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門)、座長:八久保 晶弘(北見工業大学環境・エネルギー研究推進センター)

09:30 〜 09:45

[MIS24-08] 日本海東縁と隠岐周辺海域の海底堆積物から採取した間隙水中のメタノールの分布

*山田 恭平1谷 篤史1戸丸 仁2松本 良3 (1.大阪大・理、2.千葉大・理、3.明治大・ハイドレート研)

キーワード:間隙水, 海底堆積物, 水溶性揮発性有機化合物

メタンと水からなるメタンハイドレートは新たな資源として注目されており,研究・開発が進められている(例えば,Max, 2000; 松本良, 2009).そのメタンは,熱による有機物分解や微生物代謝を起源としていることから,天然メタンハイドレート環境は微生物と深く関わっているとされる(例えば,柳川ら, 2012).これまで,海底堆積物の間隙水に含まれるCO2やメタン,酢酸濃度分布に関する研究や,メタン生成菌に関する研究が広く行われてきた(例えば,吉岡&坂田, 2010).しかし,微生物活動と密接に関係している思われるメタノールなどのC1化合物の分布を海底環境下で調査した研究はほとんどない.我々のグループでは,2010年の上越沖での調査航海(MD179航海)で採取した海底下最大約40 mのピストンコア試料を対象に,海底堆積物の間隙水に含まれる水溶性C1化合物の濃度分布について研究した(Yamamoto et al., 2011).メタノールの濃度は海底直下では検出限界以下であったが,ある深度以深で徐々に増加する傾向を示した.また,同堆積物における微生物によるメタノール消費活性も示唆された(山本, 2013).本研究では,さらなるメタノールやホルムアルデヒドの濃度分布を調べるため,次の2つの項目について調査を行った.深さ40 mより深い海底堆積物での濃度分布を明らかにすることを目的に,2014年6-7月に日本海東縁の上越沖と秋田・山形沖において実施されたHR14航海で採取した海底堆積物(最深部で海底から約120m)を,異なる海域での濃度分布を明らかにすることを目的に,2014年7月に隠岐周辺海域において実施されたUT14航海で採取した海底堆積物を本研究の分析対象とした.堆積物からスクイーザーを用いて間隙水を採取し,バイアル瓶に取り分けた.分析法はヘッドスペース-GC/MS法である.ほとんどの試料のメタノール濃度は,海底下浅部においては検出限界以下で,ある深度から増加する傾向が見られたが,深度に対して単調増加ではなかった.これらの結果は,山本らの先行研究と整合的であった.一方,隠岐周辺海域の一部のコアでは,浅部試料でもメタノールが検出された.これらの結果から,メタノールは深部からの単純な拡散だけではないこと,同じ表層メタンハイドレート環境の中でも不均一な分布をしている可能性が示された.本研究は平成26年度メタンハイドレート開発促進事業の一環として実施された.