日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

インターナショナルセッション(ポスター発表)

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM07] Space Weather, Space Climate, and VarSITI

2015年5月26日(火) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*片岡 龍峰(国立極地研究所)、海老原 祐輔(京都大学生存圏研究所)、三好 由純(名古屋大学太陽地球環境研究所)、清水 敏文(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、浅井 歩(京都大学宇宙総合学研究ユニット)、陣 英克(情報通信研究機構)、佐藤 達彦(日本原子力研究開発機構)、草野 完也(名古屋大学太陽地球環境研究所)、宮原 ひろ子(武蔵野美術大学造形学部)、中村 卓司(国立極地研究所)、塩川 和夫(名古屋大学太陽地球環境研究所)、伊藤 公紀(横浜国立大学大学院工学研究院)

18:15 〜 19:30

[PEM07-P07] 1900-2014年における太陽風の気候影響の相関地図による解析

*伊藤 公紀1河野 翔1 (1.横浜国立大学環境情報研究院)

キーワード:太陽風, 気温, テレコネクションパターン, 北極振動, 太平洋十年規模振動

我々は、太陽風の気候影響を調べるために、地磁気擾乱指数(aa指数)と地表気温との相関やテレコネクションパターン(北極振動、太平洋十年規模振動など)との関係を、相関地図(相関係数の地理的分布)を用いて検討している。
 相関を求める際、QBO (赤道域成層圏準二年振動)の位相に基づく層化が本質的に重要であることが分かっているが、位相の見積もりの信頼性が高い期間は1942年からである。しかし、1900年まで遡ってQBOの位相を推定した報告もあるので、ここではこのデータを利用して1900年から2014年までの期間について解析を行った。相関の時間窓は主として20年とした。
 1942年からの期間について観測されたテレコネクションパターンとの類似は、1900年から1941年の期間についても見られた(図1参照)。これにより、1900年から一貫して、太陽風はテレコネクションパターンに(従って気候に)大きな影響を与えていることが分かった。なお、1942年~2014年で観測された長期間に亘って高い相関を保つ「特異地点」(例えば太平洋中央部の逆相関)では、1930年頃に相関の符号が逆転していた。