日本地球惑星科学連合2015年大会

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[O-01] ジオパークへ行こう

2015年5月24日(日) 14:15 〜 16:00 国際会議室 (2F)

コンビーナ:*渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、座長:渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)

15:35 〜 15:55

[O01-05] 地学のおもしろさを糸魚川ジオパークで体験しよう!

*竹之内 耕1 (1.糸魚川市ジオパーク推進室)

キーワード:糸魚川ジオパーク, 教育旅行, 地学

世界ジオパーク認定以降,糸魚川ジオパークを訪れる教育旅行が増加している.これは,世界ジオパーク認定が質の高い教育認証として教員に受け止められていることによるらしい.糸魚川では,フォッサマグナミュージアム(地学)と長者ケ原考古館(歴史考古学)が中心となって教育旅行の対応を行ってきている.さらに,学校が意図する学習目的に合うように野外観察や実験,体験学習,講義などの内容について,事前相談を行っている.
1. 学習拠点
(1)フォッサマグナミュージアム
地学系の博物館であり,ジオパークの根幹の価値,すなわち大地のストーリーがよくわかるように2015年に展示替えが行われた.ヒスイ(科学・体験・歴史・伝説),フォッサマグナシアター(二面の大画面を使用),日本地質学の父・ナウマン博士,岩石・鉱物・化石の分類などの展示があり,糸魚川の資料によって,日本列島の主要な歴史を学ぶことができる.映像展示,体験・参加型展示,模型展示なども新たに加えられた.すべての解説パネル,映像に英語が併記され,国際化に対応している. 野外学習の予習にも,まとめにも利用可能である.館内には,階段教室(80席),研修室(80席),の体験学習室(40席)があり,講義や体験学習に利用が可能である.少人数の場合(5~10人)には,分析電子顕微鏡や偏光顕微鏡,岩石切断機なども利用できる.敷地内には,「化石の谷」と呼ばれる石灰岩の化石採集場(約60人まで利用可)があり,サンゴやウミユリなどを採集できる.
(2)長者ケ原考古館(フォッサマグナミュージアムから徒歩5分)
長者ケ原遺跡(縄文時代中期,国指定史跡)から出土した考古資料が展示されている.世界最古のヒスイ文化発祥の遺跡であり,ヒスイの海浜漂石からの加工工程,ヒスイ交易,四季の食生活,土器文化圏,土偶などが展示されている.徒歩5分にある長者ケ原遺跡には,復元住居,発掘された遺構や土器片のジオラマ展示がある.長者ケ原遺跡に隣接して体験学習棟があり,火起こし,勾玉づくりなどの体験ができる.
2.相談窓口
上記,博物館には,学芸員5名がいる(地学3名,考古学2名).学習内容の相談をはじめ,現地案内や講義,体験学習指導を行っている.また,ジオパークガイドの支援も受けることができる.まずは,フォッサマグナミュージアムまでご相談いただきたい.
3.糸魚川とその周辺へのアクセス
東京駅-糸魚川駅(北陸新幹線,約2時間),練馬IC-糸魚川IC(高速自動車道,約4時間),糸魚川IC-長野IC(約1時間),糸魚川-白馬村(一般国道,約1時間),糸魚川IC-富山IC(高速自動車道,約1時間)
4.公立高校(関東地方のSSH指定校)の学習例
長野-糸魚川-北陸方面の行程中の利用例(一日)である.
09:30フォッサマグナミュージアム到着,09:45~10:15講義「フォッサマグナと日本列島」(フォッサマグナ,プレート運動,日本列島の成立,ヒスイの成因),10:20~10:40バス移動,10:40~11:40フォッサマグナパーク(糸魚川-静岡構造線断層破砕帯の観察・スケッチ,地震との関係を学習,枕状溶岩から隆起運動の理解),11:40~12:00バス移動,12:00~12:45ミュージアム(昼食・休憩),12:45~13:05バス移動,13:05~13:55海岸の石で岩石学習(岩石標本づくり[堆積岩・火成岩・変成岩],岩石名・岩石組織の学習),13:55~14:20バス移動,14:20~15:10化石採集(サンゴ・ウミユリなど,化石標本を持ち帰り可),15:20~16:10展示見学(見学のまとめ)