日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

インターナショナルセッション(口頭発表)

セッション記号 B (地球生命科学) » B-AO 宇宙生物学・生命起源

[B-AO01] Astrobiology: Origins, Evolution, Distribution of Life

2015年5月28日(木) 14:15 〜 16:00 105 (1F)

コンビーナ:*小林 憲正(横浜国立大学大学院工学研究院)、山岸 明彦(東京薬科大学生命科学部)、大石 雅寿(国立天文台天文データセンター)、田近 英一(東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻)、掛川 武(東北大学大学院理学研究科地学専攻)、井田 茂(東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻)、座長:大石 雅寿(国立天文台天文データセンター)、田村 元秀(東京大学大学院理学系研究科)

14:15 〜 14:45

[BAO01-07] 系外惑星探査によるアストロバイオロジーの展開

*田村 元秀1 (1.東京大学)

キーワード:系外惑星, 赤外線, ハビタブル惑星, 赤色矮星

近年の系外惑星の研究の進展は目覚ましい。有力候補も入れると5000 個以上の系外惑星候補が報告されている。すばる望遠鏡などでは木星型惑星の直接撮像観測も可能な時代になった。その結果、さまざまなタイプの主星のまわりに多様な惑星が存在することが明らかになった。とりわけ、NASAのケプラー衛星によるスペーストランジット観測や長期にわたる地上視線速度法観測により、スーパーアースや地球型惑星は恒星の型によらず多数存在することが明らかになった。しかし、ケプラー衛星で発見された惑星はいずれも遠方に位置し、数10光年以内の近傍の恒星のまわりのこれらの軽いハビタブル惑星は未開拓である。我々は、多様な環境における生命の普遍性に迫るべく、(1) 近傍の赤色矮星(M 型星)のまわりの様々な惑星を検出するための専用施設を長期観測に向いた海外に建設し、多数のハビタブル惑星を検出すること、および、(2)とりわけ地球型惑星については、開発中のすばる望遠鏡用高精度分光器IRDを用いた大規模サーベイを行う事を検討している。発見される惑星は、2022年にファーストライトを迎えるTMT30m望遠鏡などによる、非地球型環境(低光度・高活動性をもつ主星まわり)における生命のなりたちを研究する最適な対象となるだろう。