18:15 〜 19:30
[SSS28-P25] 布田川―日奈久断層帯海域延長部における断層変位の形態的特徴
キーワード:布田川ー日奈久断層帯, 右横ずれ断層, 花弁構造
阿蘇外輪山西側から八代海南部へ北東―南西方向に延びる布田川―日奈久断層帯は全体として右横ずれを主体としている。本断層帯南西部に位置する八代海の海底には多数の断層が分布している。
横ずれ断層末端部の消滅機構において、複雑な変形構造が発達することが知られており(例えば垣見・加藤,1994)、それらの構造を把握するためには、3次元的かつ高分解能な地質構造調査技術の構築が必要(阿部・青柳,2004)という指摘がされている。
本研究では、海域における横ずれ断層に伴う地質構造を3次元的に捉えることを目的とし、既知の断層である布田川―日奈久断層帯海域延長部を対象とした音波探査を実施した。
調査は断層の走向(NE-SW)に直交する方向を基本として、3次元的に地質構造を捉えるため、高分解能地層探査装置(SES2000)を用いた観測を最大20m間隔と緻密な測線配置で実施した。
記録断面において、堆積層をその反射パターンから5つに区分し、上位からⅠ~Ⅴ層とした。またこれらの地層境界にあたる不整合面を上位からR1~R4とした。本海域では、ブーマー音源によるマルチチャンネル音波探査及びピストンコアリングによる柱状採泥が実施されており(井上ほか,2011;楮原ほか,2011)、それらの結果との対比から、R2は完新統の基底面、R3は最大海面低下期の浸食面を示していると推定される。
調査海域を北部と南部の2つに分け、特徴的に認められた構造を以下に示す。
①調査海域北部において、東側隆起を伴うNE-SW方向に延びる断層(main fault: MA断層)が認められた。傾斜及び変位量ともに中央部で最も大きく、南に向かい小さくなる。中央部では堆積層の下方への引きずり込みが認められた。これは横ずれ断層で特徴的に認められる花弁構造と考えられる。この変形の幅は北に向かい徐々に拡がり、約200m続いた後、散乱層の発達により以北の構造は不明瞭となる。また、Ⅲ層基底にはMA断層に直交するNW-SE方向に延びる溝状の構造が認められた。
②調査海域南部では、MA断層が南西に向かい枝分かれし拡がる。これらの断層は正断層成分をもち、幅約200m、比高約2mの地溝が形成されている。
以上、3次元的な高分解能探査により、横ずれ断層変位に伴って特徴的に認められる変形構造を捉えることが出来た。
横ずれ断層末端部の消滅機構において、複雑な変形構造が発達することが知られており(例えば垣見・加藤,1994)、それらの構造を把握するためには、3次元的かつ高分解能な地質構造調査技術の構築が必要(阿部・青柳,2004)という指摘がされている。
本研究では、海域における横ずれ断層に伴う地質構造を3次元的に捉えることを目的とし、既知の断層である布田川―日奈久断層帯海域延長部を対象とした音波探査を実施した。
調査は断層の走向(NE-SW)に直交する方向を基本として、3次元的に地質構造を捉えるため、高分解能地層探査装置(SES2000)を用いた観測を最大20m間隔と緻密な測線配置で実施した。
記録断面において、堆積層をその反射パターンから5つに区分し、上位からⅠ~Ⅴ層とした。またこれらの地層境界にあたる不整合面を上位からR1~R4とした。本海域では、ブーマー音源によるマルチチャンネル音波探査及びピストンコアリングによる柱状採泥が実施されており(井上ほか,2011;楮原ほか,2011)、それらの結果との対比から、R2は完新統の基底面、R3は最大海面低下期の浸食面を示していると推定される。
調査海域を北部と南部の2つに分け、特徴的に認められた構造を以下に示す。
①調査海域北部において、東側隆起を伴うNE-SW方向に延びる断層(main fault: MA断層)が認められた。傾斜及び変位量ともに中央部で最も大きく、南に向かい小さくなる。中央部では堆積層の下方への引きずり込みが認められた。これは横ずれ断層で特徴的に認められる花弁構造と考えられる。この変形の幅は北に向かい徐々に拡がり、約200m続いた後、散乱層の発達により以北の構造は不明瞭となる。また、Ⅲ層基底にはMA断層に直交するNW-SE方向に延びる溝状の構造が認められた。
②調査海域南部では、MA断層が南西に向かい枝分かれし拡がる。これらの断層は正断層成分をもち、幅約200m、比高約2mの地溝が形成されている。
以上、3次元的な高分解能探査により、横ずれ断層変位に伴って特徴的に認められる変形構造を捉えることが出来た。