日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-05] Future Earth - 持続可能な地球へ向けた統合的研究

2015年5月25日(月) 14:15 〜 16:00 103 (1F)

コンビーナ:*氷見山 幸夫(北海道教育大学教育学部)、中島 映至(東京大学大気海洋研究所)、谷口 真人(総合地球環境学研究所)、大谷 栄治(東北大学大学院理学研究科地学専攻)、座長:山形 与志樹(独立行政法人国立環境研究所)

15:40 〜 16:00

[U05-14] 居住快適性と災害リスクのトレードオフに着目した空間ヘドニック分析

*村上 大輔1山形 与志樹1 (1.国立環境研究所)

キーワード:水害リスク, 眺望, ヘドニック分析, 横浜市, リモートセンシング

水害リスクの高い沿岸部の都市レジリエンスを高めることは、特に東日本大震災時に伴う深刻な津波被害を被った我が国においては喫緊の課題である。しかしながら、海への眺望や海浜公園などを有する沿岸部は一般に人気の居住地域であり、水害リスクが必ずしも沿岸部の負の効果として反映されていない可能性がある。そこで本研究では、横浜市の戸別マンションを対象に空間ヘドニック分析を行うことで、海の正の要因(例:海への眺望、海へのアクセス)と水害リスクの各効果をそれぞれ定量化した。その結果、海への眺望と海へのアクセスからは強い正の効果が検出された一方で、水害リスクからは期待された負の効果が検出されなかった。また、各変数の効果を足し合わせることで、水害リスクの高い地域の魅力が高いという結果が得られ、水害リスクが沿岸部の負の効果として適切に反映されていないとの示唆を得た。この結果を踏まえながら、海の正の効果を享受しながら水害リスクを低下させるような都市政策について議論する。