日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS32] 地震活動

2015年5月26日(火) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*林 能成(関西大学社会安全学部)

18:15 〜 19:30

[SSS32-P13] 2013年3月台湾南投地震に先立つ地震活動変化の空間的特徴

*河村 将1陳 建志2呉 逸民3 (1.国立台湾師範大学地球科学系、2.国立中央大学地球科学系、3.国立台湾大学地質科学系)

キーワード:地震活動静穏化, 南投地震, 応力蓄積, ETASモデル, パターンインフォマティクス, ZMAP

2013年3月27日に台湾中部南投県でML6.2の地震(南投地震)が発生した。地震活動時間変化は、地下の応力速度変化を反映したものである。よって、大規模地震発生に先立つ地震活動変化(静穏化・活発化)を統計的に評価することは、地震発生メカニズムを解明する上で重要である。本動機に基づき、南投地震に先立つ台湾内陸部およびその周辺の地震活動変化を評価するため、Epidemic-Type Aftershock-Sequences(ETAS)モデルを台湾中央気象局の地震カタログに適用した。この際、結果の信頼性を高めるために、(1)異なる下限マグニチュードおよび南投地震発生に先立つ異なる期間に対してETASモデルを当てはめ、さらに(2)Pattern informatics(PI)法・ZMAP法を用いて地震活動変化を評価することにより、得られる地震活動静穏化・活発化空間分布の共通の特徴に注目した。解析の結果を総合すると、地震発生に先立つ約1年間に、震源域の周辺領域で、地震活動静穏化が発生していたことがわかった。このような震源域周辺領域における地震活動静穏化は、1999年台湾集集地震に先立つ地震活動でも見られた(Kawamura and Chen, 2013)ことから、本研究結果が地震発生準備過程を反映したものであることが示唆される。