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★ [MIS34-12] 古気候学・古海洋学における海底テフラの利用
キーワード:テフラ, 海底堆積物, 海洋レザバー効果, 環境変動, 鍵層
テフラは火山噴火の産物であり,あるテフラの降下は地質学的には同時とみなされるので,湖沼域と海域をつなぐ同時間面として重要である.また,テフラ粒子は日本周辺のような火山弧周辺の海底では,堆積物の重要な構成要素の一つであり,一次的にのみならず,様々な過程を通じて二次・三次的に輸送・堆積する.同時間面としての一次テフラは陸域と海域の古気候・古海洋イベントの同時性あるいは前後関係を確認するのに重要である.異なる環境中での気候イベントの前後関係の把握は汎世界的な気候変動やその変動要因の鍵となる可能性がある.また,同じテフラの陸域と海域での放射性炭素年代値の比較は,過去の海域の地域レザバー効果の大きさの復元に貢献する.さらに,テフラは異なる海域にも同時に降下する.地域レザバーの大きさは海洋循環にも関係するので,広域的な地域レザバー効果の復元は,氷期から融氷期の海洋の表層及び鉛直循環の復元に貢献するであろう.