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[SVC45-26] 口永良部島火山の二酸化硫黄放出率の繰り返し観測
キーワード:口永良部島火山, 二酸化硫黄, 放出量
口永良部島は鹿児島県屋久島の西北西約15 kmに位置する火山島で、2014年8月3日、34年ぶりに新岳火口から噴火が発生した。噴火の約2か月半前は、60 ton/dayであった二酸化硫黄放出率は、噴火後は数百ton/dayまで上昇した(気象庁、2014年8月)。その後も放出率は減衰せず、2014年10月には500 ton/day、11月には700 ton/dayと上昇傾向が続いた(気象庁、2014年11月)。これを受け、2014年11月末、口永良部島火山の二酸化硫黄放出率の繰り返し測定を開始した。
今回、測定の大部分を自動化したトラバース測定装置を使用し、屋久島と口永良部島間を結ぶ屋久島町営のフェリー太陽に測定を依頼して観測を行った。フェリー太陽は、屋久島北東部の宮之浦港と口永良部島の本村港の間を1日1往復する定期船で、その航路は新岳火口の南側を通る航路を持つ。このため、北寄りの風が卓越する秋から春にかけては、航路上空を噴煙が流れることが多くなり、船上からのトラバース測定が可能となる。
2014年11月末に開始した観測は、風向、悪天候、フェリーの欠航や通信トラブルなどにより欠測はあったが、2015年2月初めまでの約70日間で26日分実施された。開始当初は約700 ton/dayで推移していたが、2014年12月に入り1000 ton/dayを超え、その後、2月の第一週までは、ほぼ1000-2500 ton/dayという高い放出率で推移した。この放出率範囲は、ここ数年の通常時の桜島の放出率や、阿蘇山の活発な時期の放出率に相当するものであり、口永良部島の噴煙活動には大量のマグマが関与していることが示唆される。発表では、観測装置や測定法について紹介するとともに、口永良部島火山の二酸化硫黄放出率の推移について議論する。
今回、測定の大部分を自動化したトラバース測定装置を使用し、屋久島と口永良部島間を結ぶ屋久島町営のフェリー太陽に測定を依頼して観測を行った。フェリー太陽は、屋久島北東部の宮之浦港と口永良部島の本村港の間を1日1往復する定期船で、その航路は新岳火口の南側を通る航路を持つ。このため、北寄りの風が卓越する秋から春にかけては、航路上空を噴煙が流れることが多くなり、船上からのトラバース測定が可能となる。
2014年11月末に開始した観測は、風向、悪天候、フェリーの欠航や通信トラブルなどにより欠測はあったが、2015年2月初めまでの約70日間で26日分実施された。開始当初は約700 ton/dayで推移していたが、2014年12月に入り1000 ton/dayを超え、その後、2月の第一週までは、ほぼ1000-2500 ton/dayという高い放出率で推移した。この放出率範囲は、ここ数年の通常時の桜島の放出率や、阿蘇山の活発な時期の放出率に相当するものであり、口永良部島の噴煙活動には大量のマグマが関与していることが示唆される。発表では、観測装置や測定法について紹介するとともに、口永良部島火山の二酸化硫黄放出率の推移について議論する。