日本地球惑星科学連合2015年大会

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[O-01] ジオパークへ行こう

2015年5月24日(日) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)

18:15 〜 19:30

[O01-P03] 伊豆大島ジオパークにおける御嶽山噴火災害後の火山防災活動

*西谷 香奈1加治屋 秋実2 (1.グローバルネイチャークラブ、2.伊豆大島火山防災連絡事務所)

キーワード:ジオパーク, 御嶽山, 災害, 防災, 観光, 火山

昨年9月に発生した御嶽山の噴火災害は、活火山の島に暮らす住民にとって、衝撃的な出来事であった。
観光が島の産業の8割をしめる伊豆大島では、火口の見学は高い価値を持つ。観光客の安全を守り、そして、観光の発展を図るためには、私たちはどうすればよいのだろうか?

噴火災害に遭うリスクは、火口に近づかなければ減る。しかし、そうすると、火山を学び、そして、よく知ことが難しくなる。伊豆大島火山は、山頂火口から噴火する頻度が高い。ただし、山頂火口以外からも噴火をする可能性があるため、噴火災害の危険を完全に避けようとすると、私たちはそこで暮らすこともできなくなる。

伊豆大島では、御嶽山の噴火後に、三原山へ登る観光客の安全のためにポスターを山頂口に展示し、そして、観光客へのヘルメットの無料貸し出しを始めた。ガイドは、三原山観光をする前の観光客に、火山災害から身を守るための方法を説明するようになった。
伊豆大島は日本で最も火山観測体制が充実している火山の一つであり、そこには約150個の火山観測機器がある。御嶽山に比べて多くの火山の情報を得ることができるので、噴火災害に遭う危険は、いくらか軽減されるだろう。しかし、活火山に登ること、ひいてはこの島で暮らすことに完全な安全はない。活火山であることの危険を私たちと防災関係者が理解していたので、観光客の安全のための活動が、素早く行われた。これは、私たちが火山や防災を継続して学んできたジオパーク活動の効果である。

「火山災害から身を守るためには、火山をよく知ること」という考えは、ジオパーク活動を通じて、住民の中に確実に育っている。伊豆大島では、専門家から過去の災害を学ぶ活動が行われていた。御嶽山の噴火後、私たちは、さらに『今起こっていること』を学ぶ必要を感じた。それで、東大地震研究所の森田教授による『地震計データーの読み方』の講義が2回行われた。この講義に参加した住民の感想を紹介し、そして、御嶽山の噴火後の伊豆大島ジオパークにおける火山防災のための活動を報告する。