11:45 〜 12:00
[SIT05-15] プレート沈み込み直前の海洋プレート屈曲に伴う断層による含水プロセスの解明に向けた東北沖海洋掘削計画
キーワード:プレート沈み込み, アウターライズ, 含水, 地震, 海洋掘削, 蛇紋岩化
プレート沈み込みに伴う海洋プレートの屈曲により断層が形成され,この断層にそってプレート深部まで海水が供給されるという概念(Peacock, 2001 Geology)は広く認識されている。実際に,地球物理観測により,この事実を支持するデータも報告されている(例えば,Ranero et al., 2003 Nature; Worzewski et al., 2010 Nature Geosci.)。しかし,どのように,どの深さまで,どの範囲で海洋プレートがプレート沈み込み直前の屈曲に伴う断層で含水するかという実体は不明である。東北沖は,古く冷たい海洋プレートの代表である。また,地球物理観測によって,深部までの断層形成が示唆されており(Nakanishi, 2011 in Accretionary Prisms and Convergent Margin Tectonics; Nakamura et al., 2013 Geophys. Res. Lett.),海洋プレート深部のマントルまで水が供給され蛇紋岩化を引き起こしている可能性が高い(Obana et al., 2012 Geophys. Res. Lett.)。本発表では,沈み込む海洋プレートの屈曲に伴う断層による含水プロセスを解明すべく国際海洋掘削申請として提案予定の東北沖掘削計画の概要について述べる。