日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS23] ジオパーク

2015年5月25日(月) 16:15 〜 18:00 101B (1F)

コンビーナ:*尾方 隆幸(琉球大学教育学部)、渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、有馬 貴之(帝京大学 経済学部 観光経営学科)、平松 良浩(金沢大学理工研究域自然システム学系)、大野 希一(島原半島ジオパーク協議会)、藁谷 哲也(日本大学大学院理工学研究科)、植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、座長:藁谷 哲也(日本大学大学院理工学研究科)、有馬 貴之(帝京大学 経済学部 観光経営学科)

17:00 〜 17:15

[MIS23-11] 地球活動のシームレス性を反映させたジオストーリーは構築可能か?

*林 信太郎1 (1.秋田大学・教育文化)

キーワード:ジオパーク, ジオストーリー, 地球科学

多くのジオパークは「地形・地質の公園」と誤解されている(菊地・有馬,2011)ことが多いが,(景観として美しい地形や地質などの)地球科学的な資源(ジオサイト)を活かした 「大地の公園」(菊地ほか,2011)である。ここで注意すべきは活かすべき資源は「地質,地形」ではなく,それらを含んだ「地球」であるという点である。ジオパークは地球活動を理解するためのひとつのシステム(尾方,2015)という捉え方が演者にはもっとも適しているように思われる。この様な考え方は近年のジオパーク論文に多く認められる(例えば,小泉,2011,河本,2011,渡辺真人,2011,柚洞ほか,2014)
ジオパークを「地質,地形」に限った場合,1)多様な展開を図っていく可能性が阻害され,結果として「ジオ」への社会的関 心を十分に拡大できない(河本,2011),2)地球あるいはその地域をシステムとして理解できない(柚洞ほか,2014;尾方2015),3)様々な「要素と関連づけながらその面白さ,大切さを伝えられる」(河本,2011)ことができず知的関心を得ることができない,などの問題点がある。
本講演では,鳥海山・飛島ジオパーク構想,本部半島ジオパーク構想,八峰白神ジオパークにおいて演者が構築したジオストーリーを紹介しながら,地球科学の様々な分野に関わるジオストーリー(シームレスなジオストーリー;尾方,2015)が構築可能か,検討する。