17:30 〜 17:33
[AHW27-P01] 浅間山系河川における底泥中の有害微量元素の輸送・沈殿特性
ポスター講演3分口頭発表枠
キーワード:有害微量元素, 底泥, 河川
有害化学物質の底質への蓄積は数十年後に回復困難な健康被害を生ずるなど長期的な影響をもたらす。水系を経由して農地へと運ばれた汚染土壌から水分や栄養分と共に農作物へ汚染物質は移動する。したがって、有害微量元素の濃度や輸送、沈殿のメカニズムを解明することは、健康被害を阻止する上で重要な課題である。
本研究では、河川水中、および底泥中の有害微量元素(銅(Cu)、鉛(Pd)、コバルト(Co)、ストロンチウム(Sr))の濃度や輸送・沈殿のメカニズムを明らかにするため、長野県佐久地域の浅間山火山地域を原流域とする河川の18箇所で河川水および底泥を採取し、主要元素と微量元素の濃度を測定した。ろ過あり(0.1μmフィルター)、ろ過なしの河川水と底泥の有害微量元素と主要元素の濃度を比較し、有害微量元素を引き付け濃度を支配するアトラクターの存在を見出した。そして、アトラクターによる有害微量元素の輸送・沈殿メカニズムを考察した結果、以下の点が明らかになった。
1) 底泥中の有害微量元素(Cu、Pb 、Co、Sr)はそれぞれ相性のいいアトラクターに吸着し存在する。(Cu、Pb)はアトラクター(K2O)と、Coはアトラクター(T-Fe2O3)と、またSrはアトラクター(Al2O3)と各々、相性がいい。2) 河川水中では有害微量元素(Cu、Pb) は主要成分(Al、Ti)コロイドと相関関係がよいことから、(Ai、Ti)のアトラクターとなっているコロイド態鉄Ⅱ型(自由形)による輸送が行われている。3) しかし、底泥において(Cu、Pb)と(Al、Ti)は相関関係が悪く、コロイド態鉄Ⅱ型(自由形)と共に沈殿していない。
以上から、第一に、(Cu、Pb)は河川水中をコロイド態鉄に吸着し輸送される、第二に、成長したコロイド態鉄は沈殿し、第三にその後、底泥の主要成分(K2O)に引き寄せられ収着される、最後に、(Cu、Pb)を手放したコロイド態鉄は再浮上する。このような工程を繰り返し、(Cu、Pb)は水から底泥、農用地に移動するモデルが考えられる。
Coは最も相性のいいアトラクターがコロイド態Feなので、常にFeに収着し、輸送、沈殿していくメカニズムが推定される。
本研究では、河川水中、および底泥中の有害微量元素(銅(Cu)、鉛(Pd)、コバルト(Co)、ストロンチウム(Sr))の濃度や輸送・沈殿のメカニズムを明らかにするため、長野県佐久地域の浅間山火山地域を原流域とする河川の18箇所で河川水および底泥を採取し、主要元素と微量元素の濃度を測定した。ろ過あり(0.1μmフィルター)、ろ過なしの河川水と底泥の有害微量元素と主要元素の濃度を比較し、有害微量元素を引き付け濃度を支配するアトラクターの存在を見出した。そして、アトラクターによる有害微量元素の輸送・沈殿メカニズムを考察した結果、以下の点が明らかになった。
1) 底泥中の有害微量元素(Cu、Pb 、Co、Sr)はそれぞれ相性のいいアトラクターに吸着し存在する。(Cu、Pb)はアトラクター(K2O)と、Coはアトラクター(T-Fe2O3)と、またSrはアトラクター(Al2O3)と各々、相性がいい。2) 河川水中では有害微量元素(Cu、Pb) は主要成分(Al、Ti)コロイドと相関関係がよいことから、(Ai、Ti)のアトラクターとなっているコロイド態鉄Ⅱ型(自由形)による輸送が行われている。3) しかし、底泥において(Cu、Pb)と(Al、Ti)は相関関係が悪く、コロイド態鉄Ⅱ型(自由形)と共に沈殿していない。
以上から、第一に、(Cu、Pb)は河川水中をコロイド態鉄に吸着し輸送される、第二に、成長したコロイド態鉄は沈殿し、第三にその後、底泥の主要成分(K2O)に引き寄せられ収着される、最後に、(Cu、Pb)を手放したコロイド態鉄は再浮上する。このような工程を繰り返し、(Cu、Pb)は水から底泥、農用地に移動するモデルが考えられる。
Coは最も相性のいいアトラクターがコロイド態Feなので、常にFeに収着し、輸送、沈殿していくメカニズムが推定される。