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★ [MIS34-13] 絶対古地磁気強度とテフロクロノロジー: 相対古地磁気強度変動曲線の絶対較正
キーワード:溶結凝灰岩, 広域テフラ, 絶対古地磁気強度, 相対古地磁気強度, 酸素同位体層序
古地磁気強度を復元する方法は大きく分けて2種類あり、1つは火山岩から絶対古地磁気強度を復元するものであり、もう一つは堆積物から相対古地磁気強度を復元するものである。従来の研究において、相対古地磁気強度変動曲線を絶対値に較正するには、いくつかの仮定をおいて相対値の平均・標準偏差を較正するしかなかった。本発表では、テフロクロノロジーの研究成果を利用することで、絶対古地磁気強度と相対古地磁気強度変動曲線を直接的に対比し、相対古地磁気強度変動曲線を定量的に絶対値に較正する試みについて紹介する。
溶結凝灰岩と同時に火山から噴出したテフラ(火山灰)は海洋堆積物コアや湖沼堆積物コアに見つかる場合があり、これらのテフラにより酸素同位体層序における同時間面を知ることができる。したがって、溶結凝灰岩から絶対古地磁気強度を復元するとともに、テフラに基いて酸素同位体層序における時間面を参照することで、海洋堆積物から得られる相対古地磁気強度変動曲線と前述の絶対古地磁気強度データを(年代誤差なく)比較することができる。相対古地磁気強度と絶対古地磁気強度の関係性を定量的に把握できれば、相対古地磁気強度変動曲線を絶対値に較正できる。日本には広域テフラを伴う火砕流(溶結凝灰岩)が数多く存在し,酸素同位体比層序における層準が報告されているものがある。そこで、本研究では、日本各地の溶結凝灰岩を採取して、絶対古地磁気強度測定を進めている。これまでに、溶結凝灰岩20ユニットの測定を行った結果、16ユニットから絶対古地磁気強度データが得られた。16ユニットのうち8ユニットについては対比されるテフラの酸素同位体層序での位置が報告されているので、相対古地磁気強度変動曲線との比較が可能である。既に報告されている溶結凝灰岩からのデータや逆転・エクスカーション期のデータも合わせることで、合計13レベルにおいて、絶対古地磁気強度と過去150万年間の相対古地磁気強度スタック(PISO-1500: Channell et al., 2009)の相対値との比較を行うことができた。その結果、相対古地磁気強度スタックは仮想地磁気双極子モーメントに良い相関を示し、得られたデータの範囲においては一次関数で近似できることが示された。
溶結凝灰岩と同時に火山から噴出したテフラ(火山灰)は海洋堆積物コアや湖沼堆積物コアに見つかる場合があり、これらのテフラにより酸素同位体層序における同時間面を知ることができる。したがって、溶結凝灰岩から絶対古地磁気強度を復元するとともに、テフラに基いて酸素同位体層序における時間面を参照することで、海洋堆積物から得られる相対古地磁気強度変動曲線と前述の絶対古地磁気強度データを(年代誤差なく)比較することができる。相対古地磁気強度と絶対古地磁気強度の関係性を定量的に把握できれば、相対古地磁気強度変動曲線を絶対値に較正できる。日本には広域テフラを伴う火砕流(溶結凝灰岩)が数多く存在し,酸素同位体比層序における層準が報告されているものがある。そこで、本研究では、日本各地の溶結凝灰岩を採取して、絶対古地磁気強度測定を進めている。これまでに、溶結凝灰岩20ユニットの測定を行った結果、16ユニットから絶対古地磁気強度データが得られた。16ユニットのうち8ユニットについては対比されるテフラの酸素同位体層序での位置が報告されているので、相対古地磁気強度変動曲線との比較が可能である。既に報告されている溶結凝灰岩からのデータや逆転・エクスカーション期のデータも合わせることで、合計13レベルにおいて、絶対古地磁気強度と過去150万年間の相対古地磁気強度スタック(PISO-1500: Channell et al., 2009)の相対値との比較を行うことができた。その結果、相対古地磁気強度スタックは仮想地磁気双極子モーメントに良い相関を示し、得られたデータの範囲においては一次関数で近似できることが示された。