日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT33] 未来の地球環境と社会のための新しい情報基盤を構想する

2015年5月27日(水) 09:00 〜 10:45 101B (1F)

コンビーナ:*近藤 康久(総合地球環境学研究所)、石井 励一郎(海洋研究開発機構)、中野 孝教(大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所)、安富 奈津子(総合地球環境学研究所)、座長:近藤 康久(総合地球環境学研究所)、安富 奈津子(総合地球環境学研究所)

09:30 〜 09:45

[HTT33-03] 水同位体情報を用いた水循環過程や古気候変動の解明

*芳村 圭1 (1.東京大学大気海洋研究所)

キーワード:水安定同位体, データ同化

水の安定同位体(H218OやHDO)の測定とモデリングに関する技術、すなわち分光計による水蒸気同位体比観測と同位体大循環モデリングの近年の進展は目覚ましく、地球システムの中における水の安定同位体の挙動に関する我々の理解も飛躍的に前進し、地球科学コミュニティ全体における水同位体の有用性に関する認識も高まってきている。それらのことを踏まえこの本発表では、まずこういった近年の進展をレビューし、水文学・気象学・気候学における水同位体の新たな利用法、特に東アジア域における降水のD-excess値の季節変化のメカニズム解明と、全球陸域蒸発散における蒸散の寄与の分離について紹介する。また、1871年から2008年までをカバーした「20世紀同位体再解析」データセットを紹介し、それぞれ独立した同位体プロキシデータであるアイスコア・樹木セルロース・サンゴ殻の酸素同位体比(δ18O)を用いた初めての検証例を示す。その結果、20世紀後半だけでなく、20世紀前半ひいては19世紀の終わりについても相当程度の一致が見られた。最後に、当該コミュニティの進むべき道の一つとして、さまざまな水文的・気象的・気候的プロセスに対して水同位体情報を制約条件とする、同位体プロキシデータを用いたデータ同化について紹介する。水蒸気同位体データを用いた初期的な理想実験からは、すでに有望な結果がだされている。