17:15 〜 17:30
[SCG59-05] 衝撃せん断破壊に伴う各種岩石の発光について
キーワード:発光現象, 岩石せん断破壊, 地震電磁気, シャルピー衝撃試験
本震に限らず前震や余震においても、その震源域では衝撃的なせん断変形・破壊が起り、それに伴って電磁気/発光などの物理化学的現象が生じうる。発光のメカニズムを把握する目的で、シャルピー衝撃試験機を用いた各種岩石のせん断破壊に伴う発光を高感度CCDカメラで観察した。岩石発光は地下では確認できないものの、地震に伴った山体崩壊時の目撃例が歴史地震史料から知ることができる(例えば、1707宝永地震での五剣山の崩壊、1792島原大変での眉山の崩壊、1909江濃地震での伊吹山の崩壊など)。発光現象が見られたこれらの山の構成岩は、これまでラボ実験で多く使われてきた花崗岩とは限らない。むしろ凝灰岩や火砕岩などが多い(眉山など)一方で、石灰岩(伊吹山)などもある。
ラボ実験の条件は大気中室温、衝突速度4.0m/s、衝突時の運動エネルギー25Jとし、衝撃時の発光を高感度CCDカメラ(ISO感度:25,600)を用い衝突前後約1秒間シャッター開放して撮影した。実験に用いた岩石種は、流紋岩、花崗岩、蛇紋岩、溶融凝灰岩、石灰石、ドロマイトなど11種類である。実験の結果、特に黒雲母を含む花崗岩や流紋岩に強い発光があったほか、石灰岩(伊吹山産)や火砕岩(眉山産)でも観察できたが、溶結凝灰岩、蛇紋岩、シラスは発光を確認できなかった。併行して行った黒雲母花崗岩からの熱刺激電子放射(TSEE)実験で黒雲母からのTSEEが顕著なことを確認した。さらに昇温脱ガス質量分析の結果、火砕岩には硫化水素などの可燃性ガスが検知された。これらの結果から判断すると、発光の原因は単一ではなく、イオン化・放電、熱ルミネッセンス、吸蔵可燃ガスの燃焼が考えられる。
ラボ実験の条件は大気中室温、衝突速度4.0m/s、衝突時の運動エネルギー25Jとし、衝撃時の発光を高感度CCDカメラ(ISO感度:25,600)を用い衝突前後約1秒間シャッター開放して撮影した。実験に用いた岩石種は、流紋岩、花崗岩、蛇紋岩、溶融凝灰岩、石灰石、ドロマイトなど11種類である。実験の結果、特に黒雲母を含む花崗岩や流紋岩に強い発光があったほか、石灰岩(伊吹山産)や火砕岩(眉山産)でも観察できたが、溶結凝灰岩、蛇紋岩、シラスは発光を確認できなかった。併行して行った黒雲母花崗岩からの熱刺激電子放射(TSEE)実験で黒雲母からのTSEEが顕著なことを確認した。さらに昇温脱ガス質量分析の結果、火砕岩には硫化水素などの可燃性ガスが検知された。これらの結果から判断すると、発光の原因は単一ではなく、イオン化・放電、熱ルミネッセンス、吸蔵可燃ガスの燃焼が考えられる。