日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

インターナショナルセッション(ポスター発表)

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM06] Mesosphere-Thermosphere-Ionosphere Coupling in the Earth's Atmosphere

2015年5月26日(火) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*Huixin Liu(九州大学理学研究院地球惑星科学専攻 九州大学宙空環境研究センター)、大塚 雄一(名古屋大学太陽地球環境研究所)、Libo Liu(Institute of Geology and Geophysics, Chinese Academy of Sciences)、新堀 淳樹(京都大学生存圏研究所)

18:15 〜 19:30

[PEM06-P10] Kyushu-GCM 及び 準3次元ダイナモモデルを用いた Ultra Fast Kelvin 波による Equatorial Electro Jet 変動の評価

*合屋 研之1宮原 三郎2Ying-Wen CHEN3 (1.九州大学大学院理学研究院 地球惑星科学部門、2.九州大学、3.海洋研究開発機構)

キーワード:赤道ジェット電流, Ultrafast Kelvin 波, Kyushu-GCM, 準3次元ダイナモモデル

Sq電流系とEquatorial Electro Jet (EEJ: 赤道ジェット電流) は、Kyushu-GCM(Yoshikawa and Miyahara 2003, 2005)の中性風データと準3次元ダイナモモデルを使用することにより、それらの電流観測値の日々変化とほぼ整合性のある計算値を示すことができた(Kawano-Sasaki and Miyahara 2008,Aramaki 2012:修士論文)。

またKyushu-GCM データ内のケルビン波解析 (Chen and Miyahara 2012) では対流圏を励起源とするUltra Fast Kelvin (UFK) 波 (東西波数 1 , 周期 2.5 - 4日)が、赤道上空 高度 約100 km の中間圏・下部熱圏(MLT)領域で卓越しており、大気力学場に影響を及ぼしていること、またUFK 波の振幅は、約10日間周期で変動していることが示された。

そこで、本研究は、Kyushu-GCM (Yoshikawa and Miyahara 2003, 2005)の風速データより抽出し再合成したUFK 波の中性風データと赤道反対称成分も記述できる準3次元ダイナモモデル(Aramaki 2012:修士論文)を使用して、UFK 波変動によるEEJ 変動への寄与の程度を定量的に評価した。

結論として、UFK 波変動はEEJ の日々変動に寄与しており、Kyushu-GCM のオリジナル中性風によるEEJ 電流値の1ヶ月分標準偏差の比較により、シミュレートされた赤道上空東向きの強いEEJ 電流値の日々変動の25%は、UFK 波の日々変動によるものと見積もる事ができた。更に統合的な解析結果と詳細な評価等は大会会場にて公表する予定である。

(謝辞)
この研究では,川野-佐々木さん、荒牧さんにより開発された準三次元ダイナモモデルを使用しました。
両名に深く感謝致します。