日本地球惑星科学連合2015年大会

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[O-01] ジオパークへ行こう

2015年5月24日(日) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)

18:15 〜 19:30

[O01-P09] 銚子ジオパークにおける小中学校への学習支援とその効果について

*山田 雅仁1安藤 生大2梅澤 幹直3岩本 直哉1 (1.銚子市役所ジオパーク推進室、2.千葉科学大学危機管理学部、3.銚子市教育委員会)

キーワード:学習支援, 地学教育, 屏風ケ浦, アンケート調査

1.はじめに
ジオパークは、大地の公園とも言われ、貴重な地質・地形を含み、その地域の大地との関わりのある自然環境や歴史・文化、産業に親しむ公園である。ジオパーク活動を広く普及させていくためには、教育活動を行っていくことが重要である。ユネスコ(2010)の第4章の教育には、「・・・重要なのは、地域における地学教育で、これは地元の生徒に、生物多様性や地域の文化遺産と関連させながら地質遺産の重要性について教えるものである。小中学校で郷土の地質、地形、自然地理をはじめとする地質遺産のあらゆる要素について教えるカリキュラムを組むことで、ジオパークの保存に役立つだけでなく、郷土意識を喚起し、誇りを高め、自覚を促すようになる」と記載されている。
そこで、銚子ジオパークの小中学校における学習支援について紹介し、それが地元で、どのように受け入れられているかについてアンケート調査を行ったので、その結果についても併せて紹介する。

2.中学1年生を対象とした学習支援の方法
銚子ジオパークにおけるジオパークに関するこれまでの小中学校への学習支援は、主として、著者の一人の安藤が行なってきた(安藤、粕川2013, 2014)。ここでは中学1年生を対象とした学習支援について紹介する。文部科学省の学習指導要領によれば、中学校理科第2分野の目標には、「地学的な事物・現象についての観察,実験を行い,観察・実験技能を習得させ,観察,実験の結果を分析して解釈し表現する能力を育てる」ことが記載されている。また、「地層の重なりと過去の様子」に関する内容としては、「野外観察などを行い,観察記録を基に,地層のでき方を考察し,重なり方や広がり方についての規則性を見いだすとともに,地層とその中の化石を手掛かりとして過去の環境と地質年代を推定する」ことが記載されている。そこで、地学教育の内容は、以下のとおりとした。

3.内容
 3.1 屏風ケ浦ジオサイトの見学と試料採取(午前2時間)
 ・露頭全体のスケッチ
 ・柱状図の作成
 ・火山灰層からの試料採取
 ・断層・褶曲及び広域火山灰の説明
 ・屏風ケ浦の成り立ち
 ・海岸地形及び不整合の説明
 3.2 室内での講義と観察(午後2時間)
 ・「地層はどのようにつくられたのだろうか?」という内容で30分の講義
 ・採取試料の実体顕微鏡観察
 ・堆積岩と化石の観察
 ・まとめ

4.銚子市内の児童・生徒及び一般を対象とした銚子ジオパークの認知度について
2014年9月に、銚子市内の小学5年生全員、中学2年生全員、市立高校2年生全員、市内教職員(県立高校を除く)を対象として、銚子ジオパークの認知度に関するアンケート調査を行った。また、2015年1月10-12日の3連休に、銚子市内の地球が丸く見える丘展望館にて、一般の人を対象とした同内容のアンケート調査を行った。
その結果、銚子ジオパークを「知っている」と回答した人の割合は、小5、中2、市内教職員では、学習支援を行っていない高2及び一般の人と比較して、顕著に多いということがわかり、銚子市内の小中学生に銚子ジオパークの認知度が浸透していることがわかった。