17:00 〜 17:15
[SGD22-11] GGOS目標と衛星レーザ測距技術の課題
キーワード:衛星レーザ測距, バイアス誤差, 校正
GGOSの宇宙技術の一つ、SLR(Satellite Laser Ranging)は各技術の中で唯一光領域の電磁波を用いて、地球局から衛星までのフォトンのTOF(Time of Flight) すなわち距離の絶対値を直接測定するという原理をもつ。概念的にはストップウオッチのように簡単な計測にみえるSLRにおいて、GGOS の掲げる 局の位置精度1 mmとその変動成分を0.1 mm/y 精度で求めるという目標精度の高さから、これまで問題にならなかった誤差要因をあらためて精査しなければならない。局の位置精度と測距データの精度は完全に同値ではないが、システムに内在するあらゆるバイアスとその変動要因の総計を 1 mm, 0.1 mm/y 精度「以下」に抑えること、つまり各変動要因をサブミリオーダで校正するという新しい目標をめざす時代に入ったといってよい。
国際レーザ測距事業(ILRS)では、このような課題に対して定期的に国際会議やワーキンググループで議論の場をもち課題を共有してきた。ここでは、SLRというと望遠鏡やレーザなどが存在する地上局をイメージするが、ここではシステムとして、地上セグメント(その地上ネットワーク)、宇宙セグメント、およびその間の伝搬の場(大気)があり、生産物である測距データへの確からしさへの影響と校正や診断方法の高精度化が議論されているが、本講演では地上局、そのネットワークの課題が中心となる。
校正方法のうちグローバルなSLRネットワークが毎日生産するデータから軌道決定結果からえれれるO-Cから各局の各種バイアスを定期的に報告し警報を出すシステムがある。これらはSLRの日常の運用に大きな寄与をしている。地上局内のバイアス要因では、レーザ安定性、タイミング(クロック)、検知器の信号強度依存性、地上測距方法の課題を見出し、克服してきた。レーザ技術、エレクトロニクスの発展により、優秀な局では局内の精度はサブミリメートルを実現しているが確度はいまだ数mmを満たさない局が多い。宇宙セグメントでは、1970年台に設計された多数のコーナキューブを搭載した衛星は、㎝オーダの測距精度目標では問題にならなかったが、現在では精度劣化の大きな要因となっている。これを㎜オーダのCoM(衛星重心とレーザ反射点との校正)克服するための議論がおこなわれてきた。これは、シングルキューブのパルス応答パルスとさらにシングルフォトンの検知器の採用とマルチフォトン受信器の特長が議論されている。さらにGGOSでは各技術のコロケーションで各技術間のバイアスもモニターし系統誤差を除去するたま、いわゆるローカルタイすなわち各技術基準点間の3次元位置をサブミリメータで継続的に測定するという要求も生じている。講演では、GGOSに向け、技術的にも運用的にも新しいチャレンジ、日本と世界の現状をレビューする。
国際レーザ測距事業(ILRS)では、このような課題に対して定期的に国際会議やワーキンググループで議論の場をもち課題を共有してきた。ここでは、SLRというと望遠鏡やレーザなどが存在する地上局をイメージするが、ここではシステムとして、地上セグメント(その地上ネットワーク)、宇宙セグメント、およびその間の伝搬の場(大気)があり、生産物である測距データへの確からしさへの影響と校正や診断方法の高精度化が議論されているが、本講演では地上局、そのネットワークの課題が中心となる。
校正方法のうちグローバルなSLRネットワークが毎日生産するデータから軌道決定結果からえれれるO-Cから各局の各種バイアスを定期的に報告し警報を出すシステムがある。これらはSLRの日常の運用に大きな寄与をしている。地上局内のバイアス要因では、レーザ安定性、タイミング(クロック)、検知器の信号強度依存性、地上測距方法の課題を見出し、克服してきた。レーザ技術、エレクトロニクスの発展により、優秀な局では局内の精度はサブミリメートルを実現しているが確度はいまだ数mmを満たさない局が多い。宇宙セグメントでは、1970年台に設計された多数のコーナキューブを搭載した衛星は、㎝オーダの測距精度目標では問題にならなかったが、現在では精度劣化の大きな要因となっている。これを㎜オーダのCoM(衛星重心とレーザ反射点との校正)克服するための議論がおこなわれてきた。これは、シングルキューブのパルス応答パルスとさらにシングルフォトンの検知器の採用とマルチフォトン受信器の特長が議論されている。さらにGGOSでは各技術のコロケーションで各技術間のバイアスもモニターし系統誤差を除去するたま、いわゆるローカルタイすなわち各技術基準点間の3次元位置をサブミリメータで継続的に測定するという要求も生じている。講演では、GGOSに向け、技術的にも運用的にも新しいチャレンジ、日本と世界の現状をレビューする。