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[SSS28-22] 富山県富山市中心市街地における呉羽山断層の地表トレースと最新活動
キーワード:活断層, 逆断層, 呉羽山断層, 富山平野, 最新活動, 断層トレース
呉羽山断層帯は、富山市の都市部を縦断する活断層である。市街地で地形調査や地下の物理探査等を実施するには制約が多く、そのため、この断層トレースと活動年代については、まだ不明な点が多い。本研究では、近年、富山河川国道事務所が富山市粟島町付近国道8号線沿いの5地点(西側からT7、T8、T2、T3およびT9)で実施した地盤調査ボーリングの柱状図およびコア試料を用いた。コア観察および炭素同位体年代測定によって深度50mまでの層序断面図を作成・検討した。
地点T7、T8、T2、T3における更新世礫層の上限深度は、41.46m、41.18m、40.37m、41.74mと、大きく変わらないのに対し、地点T9では標高-40.08mと、T3とT9間において,礫層上端に4.7mの標高差がある。この事実から、呉羽山断層のトレースは国道8号沿い地点T3と地点T9の間を通過すると考えられた。
層序断面図の検討から、9680calBC以降、少なくともつぎの2回の断層変位が起こり、この間に累積変位量が4.7mになったと推定された。まず、標高0m付近の年代測定から、4960calBC前後以降1360calBC前後以前に2.5mの変位が認められた。最新活動年代は、既往研究成果と総合してBC2285以降1360calBC前後以前である。最新活動より1回前の断層運動は,9500calBC前後以降- 8380calBC前後以前に起き,上下に2.54m変位した。上下変位は約2.5mであり、断層全体がこのすべりを生じた場合、モーメントマグニチュード7.2に相当する。さらに、9500calBC前後以降、8380calBC前後以前に最新活動の1回前の断層活動があり、上下に約2.5m変位した。したがって本断層の活動性は、活動間隔が約7100年であり,平均変位速度は0.5m/kyrとなりB級活断層である。
なお、本研究で推定した断層トレースに該当する変動地形として富山市豊田本町付近から豊若町にかけての段丘を切る低崖が認められるが、この地域の地形発達については,今後の課題として残された。
地点T7、T8、T2、T3における更新世礫層の上限深度は、41.46m、41.18m、40.37m、41.74mと、大きく変わらないのに対し、地点T9では標高-40.08mと、T3とT9間において,礫層上端に4.7mの標高差がある。この事実から、呉羽山断層のトレースは国道8号沿い地点T3と地点T9の間を通過すると考えられた。
層序断面図の検討から、9680calBC以降、少なくともつぎの2回の断層変位が起こり、この間に累積変位量が4.7mになったと推定された。まず、標高0m付近の年代測定から、4960calBC前後以降1360calBC前後以前に2.5mの変位が認められた。最新活動年代は、既往研究成果と総合してBC2285以降1360calBC前後以前である。最新活動より1回前の断層運動は,9500calBC前後以降- 8380calBC前後以前に起き,上下に2.54m変位した。上下変位は約2.5mであり、断層全体がこのすべりを生じた場合、モーメントマグニチュード7.2に相当する。さらに、9500calBC前後以降、8380calBC前後以前に最新活動の1回前の断層活動があり、上下に約2.5m変位した。したがって本断層の活動性は、活動間隔が約7100年であり,平均変位速度は0.5m/kyrとなりB級活断層である。
なお、本研究で推定した断層トレースに該当する変動地形として富山市豊田本町付近から豊若町にかけての段丘を切る低崖が認められるが、この地域の地形発達については,今後の課題として残された。